5月25日 タップダンスの日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 表現としてエンターテイメントに長けるダンス。元は大衆の娯楽であり、今では多様に分類されている。本日、2017年5月25日は『タップダンスの日』である。


 タップダンスの日は、「タップの神様」と呼ばれたビル・ボージャングル・ロビンソンの誕生日を記念し制定された一日である。

 タップダンスとはモダンダンスの一部であり、元来はアメリカ南部の黒人のダンスであった。18世紀のアメリカ、サウスカロライナ州で、黒人奴隷の労働後のダンスでドラムが打ち鳴らされていたが、暴動によりこれが禁止される。ドラムの代わりになるものはないかと出てきたのがタップダンスである。つま先と踵に金属を付け、それを床に踏み鳴らしながら踊るわけだ。


 「タップの神様」と呼ばれるビル・ボージャングル・ロビンソンは1930年代に映画にて活躍した黒人の俳優である。彼の真の功績は、当時黒人差別が激しい中、白人と共にスクリーンに映っている点だ。ダンスと言う文化により、人種差別を取り払うきっかけを作った功績は、後にこの記念日ができるにふさわしいだろう。


 私はダンスを踊る事が出来ないが、それでも見る事は好きだ。人の心を打ち、体一つで表現のできるダンス。そこには人種も国籍も関係なく、誰もが一丸となれる魅力が詰まっている。




 今日はタップダンスの日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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