5月23日 ウィリアム・キッドが絞首刑を受けた日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
2016年の年末に完結した『ユーチューバーに転職した話する?』であるが、諸君らもご存じの通り、これはカクヨムと小説家になろうの2サイトにて同時掲載をしていた。なろうには文字制限があり、この『今日と言う日に祝福を』が連載できない為に最近開いていなかったのだが、先ほど久しぶりに開いてみたところ、なんと、2017年5月中、完全に埋もれていると思ったこの『ユーチューバーに転職した話する?』のPVが1600を超えていたのである。一体何が起こったのか。さらに調べてみた所どうやらTwitterで宣伝(恐らく奴隷ちゃん)があったらしい。埋もれた小説を持つ諸君ら。諦めるな。思わぬところで見てもらう機会を得る事があると学習した本日、2017年5月23日は『ウィリアム・キッドが絞首刑を受けた日』である。
ウィリアム・キッドと聞いても諸君らには馴染みのない名前かも知れない。ではこう言い換えよう。『キャプテン・キッド』。どうだろう、聞いたことがあるのではないだろうか。彼はスコットランド生まれ、実在した海賊船の船長である。
キッドは少年期をスコットランドで過ごし、その後にアメリカに渡り、西インド諸島にてブリガンティン船ブレスト・ウィリアム号を指揮し、私掠行為を行って生計を立てていた。私掠行為とは、戦争状態における国から、敵国の船からの略奪、戦闘行為を許された個人の船の上記の行動の事を言う。わかりやすく言えば、漫画ワンピースにおける王下七武海のようなものである。政府から公認された海賊行為と言うわけだ。
ペルソナ5やワンピースにも名が出てくるように、その知名度はかなり高いが、実際の海賊としての格はそうでもなかったと残されている。キッドは乗組員の裏切りに会い、政府に捕らえられ、1701年に絞首刑を受けその生涯を閉じる事になった。
その絞首刑の最後にキッドは、「自分はある場所に財宝を隠している」と叫び、その場所を公表しようとしたが、処刑人は最後まで語る事を許さず、結局その真相はわからずじまいで終わった。確かにキッドが略奪行為で得た財宝は発見されておらず、これが命乞いであったのか、はたまた真実であったのかは定かではないが、一時はその地が日本の沖縄県ではないかとの噂もたった。
男として生まれたならば、広い海で自由に生きてみたいと思ったのは私だけではないはずだ。この世には、ワンピースのようなひと繋ぎの大秘宝は無いかもしれないが、キャプテン・キッドの財宝はあるかもしれない。人生をかけ、いざ冒険に出るのも面白いかもしれないと思ったが、領海問題が拭えないのは夢の無い話である。
今日はウィリアム・キッドが絞首刑を受けた日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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