5月18日 ことばの日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
本日、2017年5月18日は『ことばの日』だ。518《ことば》の語呂合わせから制定された一日である。ところで、諸君らは先日が何の日であったか覚えているだろうか。先日、2017年5月17日は『高血圧の日』であった。私は血圧をテーマに、健康の大切さと、自身の健康への意識の重要さについて語ったつもりである。ところがだ。私はついさっきまで点滴を受けていた。そんな小説を書いた翌日の出来事である。
朝から喉痛いと思っていた私、仕事先向かう途中コンビニでトローチ購入した。トローチとはのど飴の様なもの。その効果の程定かではないが、連日仕事続く私早く体調を治したかった。まさに藁をもすがる思いそれ購入したのである。
朝からトローチを舐めながら仕事を続ける私。だがしかし喉の腫れ一向に引く気配はない。程よく甘く、味嫌いではなかったものの、もしこのトローチとてつもない不味さだったら訴えていたかもしれない。ついには腫れ頂点達し、唾飲み込むのも痛みで顔歪めるほどになった。
夜、仕事が終わると即座に車入り検診を受けられる病院探した。近場何件か夜間検診行っているところ見つけ、その中から更に一番近いところに電話を掛けた。名前と症状告げると、今すぐ見れるとの事。すぐさま私の車その病院へと向かった。
病院で体温を計ると38℃超えていた。風邪である。実は私は先々週も風邪を引き仕事を休んでいる。あの時は39℃まで上がったか。さらに去年、カクヨムの近況ノートにも書いたが風邪をひいていた期間がある。一体この体一年に何度風邪ひけば気が済むのだ!
それから1時間程かけて点滴を打ってもらい、薬を貰って今自宅に帰ってきたと言うわけだ。さて、では、本題である。私がこんな話を唐突に始めたのは、今日私が体験した出来事を諸君らにことばとして知ってもらおうと思った為である。
今日はことばの日。普段何気なく使用される言葉が如何に不思議なものであるか。それを知ってもらうべく、実は今日の話は一度書いてから、消しても意味が伝わると思われたことばを消去しているのである。例えば最初の方、『朝から喉痛いと思っていた私』。これは元は『朝から喉が痛いと思っていた私は』であり、ここから『が』と『は』を抜いたのである。もしかしたら読んでいて違和感を感じた人がいるやもしれぬ。だが、こんなへんてこな文章ですら、今日の私の一日が十分に伝わったはずだ。
ただの記号の羅列に過ぎないのに、色も温度も、空気ですら伝える事が出来るのがことばの凄さ。その情報量は計り知れない。が、同時に、そこからある程度の文字を差し引いたとしても充分意味は伝わる。活字の海は広く、そして深く、いつまでも我々を吞み込んでやまない。
今日はことばの日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます