　やあやあ諸君。

　私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。

　諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

　私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。

　健康に気を付けるならば、自分の身体数値を事細かに図るのがモチベーションの持続と共に効果的である。例えば一日の消費カロリーと摂取カロリー。または平均睡眠時間。体温や体重。そして重要なのが血圧である。本日、2017年5月17日は『高血圧の日』だ。

　高血圧の日は世界高血圧連盟が2005年に制定した一日である。日本が高血圧の日を実施し始めたのはそれから二年後。2007年の事であった。

　血圧計を持っている人は少ないだろう。だが安心して欲しい。大抵の病院にいけばタダで借りることが出来る。腕を入れてギュッと締め付けてくるあれだ。本能的に病院が嫌いだと言う人は家電屋でもいい。商品のお試しとして置いてある場合が多いからだ。

　そもそも血圧とは何なのか。我々の体は心臓より血液を体中に巡らせ、栄養や酸素を血管を通し循環させているわけなのだが、簡単に言えば血圧はこの血管内にかかる圧力の数値である。高血圧、低血圧という言葉がある様に高すぎても低すぎても良くない。年齢、性別ごとに適性値が異なるので、図った後はその数値が正常なのか調べる必要がある。

　血圧を測ると２つの数値が出てくるが、これは動脈と静脈で圧が異なるからだ。心臓と言う一つのポンプで血液を循環させている以上、送り出すときと、また心臓に送り返されるときで圧が違うと言うわけだ。

　主に高血圧になる原因としては遺伝であることが多い。その他を挙げるならば食生活。中でも塩分の取り過ぎによるものだ。しょっぱい物を食べると喉が渇くだろう。体内の塩分濃度が高くなると体はそれを水分で薄めようとする。結果、血液の全体量が増加し高血圧を引き起こす。これが原因となって引き起こされるのが動脈硬化などの血管障害だ。

　逆に低血圧の原因としては、やはり遺伝的な所が大きいが、自律神経の乱れや下半身の筋力不足などが挙げられる。循環する血液量の少ない低血圧が続くと、朝起きられなかったり脳貧血を起こしたりと、こちらもメリットなんかない。

　普段当たり前の様に目覚め、呼吸し、生活している私達であるが、目に見えぬところで体の異常が起きている、と言う話は珍しくない。一流の職人、例えば料理人ならば自分の包丁を、例えばメカニックならば自分の整備道具を大切に手入れするだろう。自分の体のメンテナンスができるのは自分だけである。めんどくさがらず、血圧計を見つけた際には一度計ってみては如何だろうか。

　今日は高血圧の日、特別な一日である。

　我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。