5月16日 NHK

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 1958年のこの日、NHKのテレビ登録数が100万台を突破した。更に1953年のこの日には大相撲の中継が始まった。よって今日、2017年5月16日は『NHK』について語ろうと思う。


 NHKとは日本引きこもり協会ではなく、日本放送協会の略称である。1925年に初めて日本でテレビ放送を開始した公共放送である。

 テレビ局の中で唯一受信料を請求して来るが、諸君らはNHKの受信料は払っているだろうか。彼ら徴収員は隙あらば受信料を請求して来るが、これに対する支払い義務はない。放送法で確かに契約はする様にと書かれているが、それを違反した際の罰則が無いのである。


 宣伝、広告費を製作費に当てる民間放送と違い、受信料を徴収できなければNHKは破綻してしまうわけだが、今現在NHKは800億円程貯めこんでおり、社員の平均年収は1700万程度だと言う。第一受信しているのだから料金を支払えと言うのであればラジオも他局もYouTubeもそれに当てはまってしまう。自分が納得のいく買い物をしていると思わない方は、払わないのも一つの手かもしれない。


 私は最近ではめっきりテレビを見なくなったが、子供の頃は3チャンネル。当時のNHK教育テレビを毎日の様に見ていた。忍たま乱太郎。ニャッキ。さわやか三組。むしまるQ。天才テレビ君。思い出すタイトルを挙げればきりがなく、それらは私の子供時代に深く影響を及ぼしていただろう。


 ところで、諸君らは大相撲をNHKしか放映する事が出来ないと言うのはご存じだろうか。NHKは相撲協会に一場所5億円。年間30億円と言う大金を払い放映権を独占している。他局のニュースなどで相撲の様子が流れる際には、NHKから一秒いくらで映像を流す権利を買う必要があるのだ。


 NHKは公共放送であるが故、他局と違い宣伝、広告は禁止されているのだが、私は思う。思いっきり相撲の宣伝してるじゃないか。と。だってそうだろう。NHKが相撲中継する事により話題の力士や、名勝負が世に広まり、相撲ファンのみならず新規の視聴者も生まれるのだから。


 それだけではない。NHKが誇る連続テレビ小説もそうだ。例えば『ゲゲゲの女房』。これはかの漫画家、水木しげるの妻の目線から物語を描いているが、放送されるや否や舞台となる島根県安来市の観光客は確実に伸びている。


 いっその事、公共放送から民間放送にきり変えた方が好感度も視聴率も伸びるのではないかと思わざるを得ない。まあ、受信料を払いたくない貧乏人の戯言である。




 今日はNHK、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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