5月15日 セブンイレブンが開店した日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
日本にある大手コンビニといえば、セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート辺りが挙げられるだろうが、その中で店舗数と売り上げのトップに位置しているのがセブンイレブンである。世界中に展開し、合わせて6万店舗程の店舗数を誇るセブンイレブンであるが、その内20000店舗程が日本にあり、世界一セブンイレブンの多い国となっている。そんなセブンイレブンにも、日本にたった一店舗しか存在していない時があった。2017年5月15日は『セブンイレブンが開店した日』である。
セブンイレブンはアメリカ発祥のコンビニエンスストアである。日本に初上陸したのは1974年、場所は東京都江東区であった。名前の由来は朝の7時から夜の11時まで営業していた時代がある為だと言うのは、あまりに有名な話である。
諸君らもセブンイレブンを利用する機会が多いと思う。今や全国に星の数ほどあるセブンイレブン。私も車で職場まで向かう途中、なんと5軒もセブンイレブンの前を通る。
店内に入るといつもぎっしりと商品が積まれているのは、会社の方針で廃棄することがあろうとも常に商品は揃えておく。つまりは廃棄のロスより、機会のロスを案じている為である。その為、一店舗の廃棄額は一年で平均約530万円と、他の小売店からすれば考えられない数字である。
セブンイレブン本社からすれば、消費者の手元にいつでも商品が届く状態が維持できることはメリットであり、さらにそれにより店舗より商品の注文が入り、どこまでもおいしい状態が続くわけだが、店舗側はたまったものではない。当然ながら廃棄する分は店舗の負担となるわけだ。2012年には一日2億以上。年間770億の商品が廃棄された。
2000年代、この問題に一部店舗が提訴した事はあまり知られていない。結果は最高裁まで行き、2007年に加盟店はその契約に同意しているものだと主張され、セブンイレブン本部側が勝訴している。だが、これを機に本社は廃棄商品の原価15%を請け負う方針を定めた。
いつもコンビニに入るとお目当ての商品が手に入る裏では、大量の商品が捨てられているという現実がある。それのおかげもあってかセブンイレブンはシェア一位の座を欲しいままにしているが、確かに近くて便利であるが、利益の為に食材を無駄にするのは、本当に正しい事なのだろうか。
これからもセブンイレブンはより一層店舗を拡大し続けるだろう。いずれは建物10軒に一軒はセブンイレブンになり、さらに店舗を拡大し五軒に一軒はセブンイレブンになり、その後に二軒に一軒がセブンイレブンになり、気づけば全ての家がセブンイレブンになっているかもしれない。増殖し続けるセブンイレブンに日本が覆われてしまう日がくるやもしれない。
この内容で小説を書いたらちょっと面白そうだ。タイトルはもう決めた。
『セブンイレブンSF』である。
今日はセブンイレブンが開店した日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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