5月10日 愛鳥週間

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 はとからすすずめ。この三種は都会でも自由に飛び交う姿をよく見かけるが、田舎の方に行くと更に多種の、633種以上の鳥達が日本には生息している。本日、2017年5月10日は『愛鳥週間』である。


 愛鳥週間は、野鳥保護思想普及のために鳥類保護連絡協議会が設けた5月10から16日までの一週間の事を指す。ゴールデンウィーク終了後に訪れるこの愛鳥週間は、バードウィークとも呼ばれている。

 日本には633種が生息すると書いたが、これを世界に置き換えると約9000種以上が確認されており、そのうちの約5000種がスズメ科にあたる。


 昼には見かける鳥たちが夜はどこに行ってしまうのか諸君らは考えたことがあるだろうか。種類は違えど、鳥には帰巣本能が備わっている。彼らは日が暮れる20分ほど前には自分の巣、あるいは安全を確認した定位置へと帰って行くのだ。自宅のベランダに木箱を置いてみるのもおもしろいかもしれない。難しいがもしそこを巣として認識してくれれば彼らの観察が楽しそうだ。


 その帰巣本能を利用し、通信技術が発達していなかったころには鳩に手紙をくくりつけた伝書バトが実際に使われていた。通常200キロの範囲内で利用されていたと言われる伝書バトだが、レースにもなると1000キロもの距離からも帰ってくるそうだ。なぜ鳩は家に帰ることが出来るのか。太陽の位置を見ている。風景を記憶している。磁気コンパスの様な体内器官があるなど、仮説は立てられているがまだはっきりとは解明されてはいない。


 鳥は頭が良く、身近に観察できる人間の友人だ。是非この一週間。外を出歩いた際には、目にとまった鳥たちをじっくりと眺めてみては如何だろうか。ちなみに私の昨日の晩御飯は唐揚げである。




 今日は愛鳥週間、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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