4月12日 世界宇宙飛行の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 この惑星の住民は、古来より空を眺めてきた。地球には現在確認されているだけで約200万種の生物がいるとされているが、そのなかで跳躍力も優れておらず、ましてや翼すらない人類が初めて宇宙に行ったのは1961年の事であった。本日、2017年4月12日は『世界宇宙飛行の日』である。


 地球は青かった。

 世界初の有人宇宙衛星船・ソ連のボストーク1号に搭乗したユーリ・ガガーリン少佐のこの言葉は、当時の流行語大賞にもなった。わずか108分の飛行とは言え、見上げるだけであった宇宙に到達した偉業は世界中を賑わせる。


 人類は未開の地を切り開いてきた。地はおろか、海中も、そして宇宙も。誰も見たことの無い世界を切り開いてきた。月にすら足跡を残した人間もいる。次に人類が初めて降り立つのは、恐らく火星になるだろう。環境を整えるにしても、ゴキブリは使わない方が良さそうだ。


 ところで、実は青い惑星と言うのは地球以外にもいくつか存在する。その中の一つ、系外惑星「HD 189733b」は、地球から約63万光年離れた所にあり、観測の結果、宇宙から見ると色が濃いコバルトブルーで、地球にそっくりに見える。

 だが、恒星を非常に近い距離で公転しているため、大気は1000度以上に熱せられ、さらには横殴りのガラスの雨が、時速7000キロメートルで降るというとても生きてはいけない環境にある。


 2014年に静止気象衛星「ひまわり8号」が地球のカラー写真を撮ったのをご存じだろうか。それを見ると、イメージと違い地球が灰色に見える。実際のところ、人間の目を通さずに見ると、地球は灰色に見えるそうだ。今から数年後、宇宙飛行士たちが期待を込めて宇宙に行った際、あれ? 地球汚くない? と、落胆しない為にも、我々は環境に気を使う必要があるのかもしれない。




 今日は世界宇宙飛行の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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