3月23日 世界気象デー

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 私はあまりテレビを視聴しない。故に、天気予報に頼ることも無い。朝家を出るときに雨が降っていればビニール傘を手に取るが、出かけた後に降った場合には出先で傘を購入して対処している。今思えば小学生の頃も、クラスメイト達が傘を持参している中、私だけが手ぶらで登校していたことを思い出す。やはり子供の頃からの習慣は、大人になってからも人生に影響を及ぼすと言ったところであろうか。本日、2017年3月23日は『世界気象デー』である。


 世界気象デーは、1950年のこの日に世界気象機関条約が発効し、WMOが発足した事を記念し、10周年となる1960年に世界気象機関が制定した国際デーの一つである。2日続けての国際デーでは、なんだか安っぽく見えてしまうが他にネタが無かったから仕方なし。

 日本がこの世界気象機関に加盟したのは1953年の事だったが、それから50年ばかりの月日が流れ、今はより正確な気象観測が行われるようになった。


 と言っても、前述したとおり、私の生活にはあまり天気予報は活用されていない。そこで、今日語るは人気テーマパーク、ディズニーシーの『ストームライダー』の話である。

 ディズニーシーを訪れたことのある人はご存じだろうが、ストームライダーとは、発生した台風を爆弾により消滅させるミッションを体験できる人気アトラクションである。我々が乗り込むのは上司の命令を聞かないやんちゃな性格の2号機パイロットが運転するストームライダーであり、ミッション中に起きる様々なトラブルを乗り越え台風を消滅させる。


 だが、そのストームライダーも去年、2016年にクローズした。維持費や劣化、人気の低下などから新アトラクションへの切り替えは仕方ないにしても、これが好きだった私の様なファンからは寂しいものがある。ストームライダーに限らず、ディズニーランドのスターツアーズのリメイクや、USJのバックトゥザフューチャーザライドなど、男のロマンをくすぐるアトラクションが終了してしまっている。


 諸君らもご存じだろうが、私は無類のディズニー好きである。いける事なら毎週訪れたいとも思っているし、おみやげのチョコクランチも大好きだ。だがしかし、ここ5年ほど、足を運んでいない。そしてその5年とは、私の彼女いない歴を指す。


 友達のいない私である。彼女も無き今、行くとすれば一人キリとなる。あの夢の国では、誰も私の事など気にも留めぬだろうが、一人でアトラクションに並ぶ自分を想像すると、少々気が重くなる。気象予報が発展したこの時代。願わくば、恋の予報もそうなって欲しいと、心から思う。




 今日は世界気象デー、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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