1月31日 愛妻家の日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
現在、これを見てくれいる諸君の中に結婚し、妻を持つ者がいるであろうか。もしそんな人が見ていたら是非とも最後まで読んでいただきたい。なぜなら本日、2017年1月31日は『愛妻家の日』であるからだ。
愛妻家の日は、地球温暖化問題よりも、家庭寒冷化現象を問題視していると言う日本愛妻家教会が制定した一日である。いやはや世の中、探せば変わった協会が存在するものである。
愛妻家とは、いったいどういった人の事を指すのか、今日は諸君らにそれを考えてみてほしい。妻の誕生日に高級ディナーへと連れていく? 毎日の家事を率先して行う? 妻の自慢の夫で居続ける? 諸君らは愛妻家と聞いてどんな人物を想像するだろうか。
意見は様々だろうが、私の場合、愛妻家とはどんな人だと問われたのなら、初心を忘れぬ人間だろうと答える。
愛妻家と言うからには妻を娶った人間の事を言うだろう。つまりは、一人の男と女として婚姻関係にあるはずだ。政略結婚や国籍の為の偽装結婚でない限り、そこには愛情が必ずあったはずなのである。
その初心を忘れ、互いに心が離れ、行くところまで行きつけば、やがて離婚が待っている。二人が愛し、付き合うに至った時の事。そして、めでたく結婚した時の気持ちをいつまでも忘れずに持ち続けている事。それこそが夫婦円満のカギであり、愛妻家と呼ばれるに相応しい人間の心情だとは思わないだろうか。
今日は愛妻家の日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます