1月30日 三分間電話の日
やあやあ諸君。
私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。
諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。
私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。
さて、本日、2017年1月30日は『三分間電話の日』である。
1970年、全国の公衆電話から一通話10円で無制限に掛けられた通話が、三分で10円と言う縛りを設けた日である。
それまでは一度10円玉を入れてしまうと、どれだけ通話しようが通話を切らない限り追加料金が発生しなかったため、電話ボックスの外には自分の番を今か今かと待ちわびる人が絶えなかったそうだ。
諸君らは、これとよく似た話を最近経験した覚えはないだろうか。
そう、スマートフォンの通信制限である。以前は月額料金さえ払ってしまえば毎月いくら通信料を掛けようとその料金は一定であった。だがしかし、スマートフォンの発達と普及により膨大なデータが送受信されるようになった今、トラフィックの圧迫を防ぐため、月毎に一定の通信料が設けられ、それを超えると通信速度が著しく低下するように対策をとっている。
さらにこれによく似た話が飲食店の24時間営業だ。
ロイヤルホストを始め、マクドナルドやすき家など、今まで24時間年中無休で営業してきた飲食店が、深夜営業をばったり辞めたことは記憶に新しいだろう。
こちらの場合は、そもそも深夜に営業する事自体にメリットが少なく、それならば顧客の集中する日中にサービスの向上を図ろうと言う目的があった。
御覧の様に、どれだけ便利な世の中になろうと、その裏では確実に問題が起きているのが世の常であり、そうした問題は根本的な解決には至らず、いずれは破綻するものである。今諸君らが利用している便利な機能にはどんな弊害があるか、今一度じっくり考えてみる必要がありそうだ。
今日は三分間電話の日、特別な一日である。
我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。
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