今日と言う日に祝福を！！

１月２９日 人口調査記念日

　やあやあ諸君。

　私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。

　諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

　私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。

　さて、本日、2017年1月29日は『人口調査記念日』である。

　日本で初めて全国戸籍調査が行われたのは、1872年の１月29日の事だった。その結果、男性が1679万人、女性が1631万人、合わせて日本国民の人口は、約3311万人だと判明した。

　現在少子化が囁かれ、日本国民の人口は減ってきていると統計がとれているが、それでも１億2000万人を超える人がこの国で生活をしている。1872年の人口と比べれば、約四倍であり、大した問題にならないだろうと思わざるを得ない。

　ちなみに、東京神奈川千葉埼玉で、１億2000万人の内、四分の一の人、約3600万人が生活をしている。1872年の日本国民全てが１都３県に集中しているようなものだ。土地代が跳ね上がるのも無理からぬ話だ。

　さて、ここまで聞いて諸君らはあまりの人の多さにちょっとうんざりされたのではないだろうか。人類は知恵を絞り、それらを生活に反映させ、思うがまま繁栄してきた。結果、世界中、ありとあらゆる箇所で生活する人々に、地球が埋め尽くされている。

　だが、実はそんな人類の人口ですら圧倒するほどに繁栄をしている生物がいる。

――蟻（あり）である。

　あの小さな体に、どれだけの重さがあるだろう。一説によると、人類の総体重と蟻の総重量は大体同じくらいだという。

　人類の総人口は大体70億人程と言われているが、対して蟻はその数、約１京（けい）匹(1000兆の10倍)である。

　地上を制したと思っているのは人類の勝手な思い上がりで、真にこの世界を支配しているのは、実は蟻なのかもしれない。

　今日は人口調査記念日、特別な一日である。

　我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。