1月27日 国旗制定記念日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 日本と言う国は、実に面白い国である。資源に乏しく、広大な領土も持たない我が国は、代わりに知恵を絞り、技術力を向上させてきた。その技術力は世界に注目されるほど最先端にいるはずなのに、日本を象徴する国旗はあまりにシンプルすぎるとは思わないだろうか。本日、2017年1月27日は『国旗制定記念日』である。


 日本国旗が制定されたのは、1870年の1月27日、太政官布告だじょうかんふこく、当時の法令によって商船規則に則り、デザインと規格が定められる。つまりは、外国船との差別化を図る為に制定されたのがきっかけであった。


 日の丸と呼ばれ親しまれているこの国旗は、正式名を日章旗にっしょうきと言う。農耕民族として、天照大神など、古くから太陽を神として崇めてきた日本である。国旗に太陽を描くのも無理はない。


 だが一つ、面白い話がある。

 この国旗を、我々日本国民が何も知らされずに見た時、何を思い浮かべるだろうか。当然の如く、前述の通りに多くの人が太陽を思い浮かべるだろう。それはおそらく、日の丸や日章旗と言う言葉を知らなかったとしても同じはずだ。

 だが、外国人がこの国旗を見た場合は答えが違ってくる。なぜなら、太陽を赤とは思わず、黄色や金色だと認識している国が多いからだ。


 確かに実際の太陽を見ても、夕焼け以外は黄色や金色に見える。だが、多くの日本国民は、太陽は何色かと問われた際、やはり赤色と答えてしまうのではないだろうか。それは、このあまりにもシンプルすぎるデザインが無意識に我々の認識に影響しているからなのかもしれない。




 今日は国旗制定記念日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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