1月24日 ゴールドラッシュデー

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 さて、本日2017年1月24日は『ゴールドラッシュデー』である。

 ゴールドラッシュデーとは、1848年の1月24日、カリフォルニア州で使用人をしていたジェームズ・マーシャルが、アメリカン川で砂金を発見し、これを聞きつけた金脈目当ての夢見るアメリカ人が一斉に押しかけ、ゴールドラッシュと言う言葉が世に広まった日である。


 この時代、いや、それがいつであったとしても金銀資産が欲しくない人間などいないだろう。今から100年以上も前の話になるが、今も昔もそれは変わりないとこの記念日からは読み取れる。


 諸君らは、今現在人類が見つけ出した金がどれほどの量であるかはご存じだろうか。その総量はおよそ16万トン。オリンピック競技用のプール、約三杯半である。これを聞いてどう思ったであろうか。意外と少ないなと感じるのではないか?


 もし、日本のどこかで未開拓の金が発見されたら、私は迷わず車を走らせ、ゴールドラッシュの波に乗るだろう。私のみならず、諸君らの中にも、一獲千金を夢見て現地に向かう者が出るであろう。

 仮にだ、諸君らが金を掘り当てたなら、それをどう使うか少し考えてみてほしい。すぐに換金する、と言う人がおそらく大多数を占めるであろう事は想像に容易い。


 だが、少し考えてみてほしい。

 先ほども言ったが、金とはプール三杯半、つまりは希少価値があるためそこに値段が付くのだ。人工的には作れず、総量が決まっている。だがしかし、私も、諸君らも好きな紙幣はどうであろうか。

 そう、こんな紙切れ、作ろうと思えば幾らでも刷れるものなのだ。


 一万円の原価はたったの30円である。銀行と、国と、国民の信頼関係の元、この30円の紙切れの価値は、1万円であるとされている。

 いつこの信用がなくなってもおかしくない時代。手元に金を残すと言うのも、一つの選択として、視野に残しておいても悪くはないのではないだろうか。




 今日はゴールドラッシュデー、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

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