1月19日 空気清浄機の日

 やあやあ諸君。

 私の名はいずく。いずくかけると申す者だ。


 諸君らは今日と言う日を如何にお過ごしだろうか。日々は刻一刻と進む二十四時間の連鎖であるが、それは円環ではなく螺旋であり、繰り返しではなく積み重ねである。だがしかし、中にはどうもそれを理解していない者が多い。

 私の話を聞き入れ、今日と呼ばれる日が先人達が積み重ねた如何なる日なのかを知らば、諸君らの過ごす毎日にも色が付くのやも知れぬ。




 さて、本日2017年1月19日は、『空気清浄機の日』である。

 空気清浄機の日は、2006年に日本電気工業会が119(いいくうき)と言う多少無理矢理感が残る語呂合わせの元制定した。


 諸君らの部屋には、あるいは家には空気清浄機はおありだろうか? 私の部屋には一台設置してある。設置と言ってもただ電源をコンセントに繋いであるだけなのだが、ただそれだけで『ナノイー』と言う物質が空気を綺麗にしてくれると言う凄いやつだ。

 これは、部屋で煙と戯れる事が好きな私の為に、母が買ってきてはプレゼントしてくれたものだが、効果のほどは定かではない。だが、家で飼っている猫が私の部屋だけには断固として入らぬ事から、あまり人にはお勧めできないのやも知れぬ。


 最近では仕事場にも空気清浄機を置くところが増えた。仕事場のみならず、喫煙所やパチンコ屋、はたまたそれらが標準搭載されている乗用車まで登場している。そして、健康に気を遣う現代人はこぞってそれらを購入する。目に見える効果など殆どなく、一昔前までは空気清浄機と言うものが存在していなかったのにだ。


 よく、森の空気はおいしいと言われる。実際に都会の空気と比較すると、都会の方は一酸化炭素の濃度が高く、森の空気は酸素が多く含まれているらしい。では、空気清浄機を置く事より部屋に酸素ボンベでも設置した方が効果が実証できるのではないだろうか。


 時代は変化する。今まで先人たちは自分の周りを漂う空気など殆ど気にかけなかっただろう。それこそ埃っぽかったら掃除をする程度だったに違いない。だが今は、空気清浄機の登場により民衆はよりよい空気を求めだした。


 もしかしたら今後この波に乗り、従来の飲食店の様に、自分の吸いたい空気を選択し、それを提供する空気店などができるかもしれない。その暁には、高原のさわやかな空気や森林の澄み切った空気より、女子高生が生活する私部屋の空気を私ならば選択するだろう。




 今日は空気清浄機の日、特別な一日である。

 我々は本日を祝福し過ごさねばならないだろう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る