27 リボン、呪い、海苔

 嵐の夜に肝試しで黙って船を出したタクハチは沖に出たところでいよいよ危ないと思い引き返そうとした。だがその時焦ってもいないのに、まるで誰かに引っ張られたみたいにオールが手からすっぽ抜けた。タクハチはそのまま海に落ちて溺れ死んでしまった。

 次の日、漁師や海女は船が一艘なくなっていることに気づいて探しに出た。タクハチと船は海の底で海苔やコンブがリボンのように絡まって、まるで縛り付けられているように死んでいるのが見つかった。これは海の神様の呪いに違いないと、それからは肝試しで海に出るものはいなくなったという。

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