3 天空、イワシ、贈り物

 薪の弾け音と背中に当たる硬い感触で、目が覚めたと気づいた。今日はもうどんな夢を見ていたか忘れてしまった。

 朝にしては暗い、扉の隙間から草が湿っているのが見える、どうやら外は雨のようだ。かまどに薪を継ぎ足し、干物にしてあったいわしをかじる。雨ということは、今日は久しぶりに新鮮なものが食べられそうだ。

 大きな葉を継ぎ足して作ったミノを着て、遠くに設置しておいたの罠の様子を見に行く。

 しばらく歩いて、ようやく森の入り口に着いた。間引きされた木々には網が張り巡らせてあり、入ると出られないようになっているカゴがいくつかくりつけてある。二つ目の罠にいわしがかかっていた。この植物しか生えていない森では、雨の日に空を泳ぐ魚たちは重要な食料だ。近隣の村では魚は天からの贈り物とする伝承がある。

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