第3話選ばれた俺は王の城へと転移する
――無事会談を終えた応接室
「あのぉ、王様……私に何か言うことはありませんか!」
「あり……ま……せーん! …………いただだだだ! やめ……止めんか! ヒゲを引っ張るでなぁい!」
そう言って、ミリアを取り押さえる王様は、分かった! すまなかった! ミリアの言う事を聞かなくてすまなかった!と全力で謝った。
だが、ミリアの怒りは収まらない。
「それはもういいわ! 私はそれに怒ってるんじゃないの! ……って何その顔! 本当に私が怒ってる理由分かんないの!?」
「さぁて? なにかしたかのう?」
と、とぼける王様を見てミリアは、キィーッと自分の髪の毛を引っ張る。
「ああああなたは! 王様なのに、娘の下着をお土産にしたんですよ!?ゴミクズ何ですか? 生ゴミなんですか? それならさっさと捨ててきたいんですけど!」
と、怒涛の攻撃に仰け反る王様。だが、王様もそこは引かない、
「まてミリア! 覚えていないのはミリアの方だぞ! 私はあの時、これをあげていいかと言った、そしたら、ふんふん、ふんふんコロコロがしー。って言ってたじゃろ!」
そう言って、ミリアの口を掴む王様。
「そりぇわ……むにゅむにゅ……わたしゅがあにょちょき、あちゃまがおかしゅかっちゃから……むにゅむにゅ」
「何を言っているか、わからぁぁぁん!」
そう言って再び揉めあっていると、ガチャりと応接室の扉が開いた。
「お姉様、どうしたのですが?……晩御飯の用意が出来たそうですよ?」
と、ふりっふりの服を着た150cm位の女の子が、自分の銀髪を触りながら部屋に入ってきた。
「あら……はぁはぁ、姫……ただいま向かいますわ」
そう言って、疲れている体にムチを打って自分の白色のスカートを軽くつまむミリア。
すると、姫は頬をむ~と膨らませて、
「お姉様、その呼び方はやめてっていつも言ってるでしょう? 私にはモモっていう名前があるのですから、名前で呼んでください!」
「はいはい、分かりましたよモモ姫。ふふ、じゃあ王様もお食事の方へ行きましょう?」
ミリアが王様にそう提案すると、あぁそうだな。と言って扉に向かおうとする。
その際、ミリアに少し近づき、
「――今日の夜からメルビンに貰った、あのアイテムを使ってみる」
と、ミリアに小声で言うと、分かりました。と言ってモモの元へ行き、手を繋ぎながら応接室を出ていった。
「はやく、あの子の守り手を見つけなければ……仮にあの占い師が合っているのなら、もう少しで………みんな死んでしまう」
王様は暗い顔でそう言うと、ミリア達に続いて応接室を出た。
王様の発注ミスにより低スペックの俺は姫の婿になる @ryurion
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