第2話プロローグ選ばれた俺は王の城へと転移する


――翌日


ミリアは早朝に城を出て、メルビンを城まで連れてきていた。


「がっはっは! あなたがメルビン殿ですか! お会い出来て光栄ですぞ」


と、王様は向かいに座っている、白髪頭のメルビンに言う。


わたくしも光栄でございます! まさか王様と直接お話ができるとは、思ってもいませんでしたよ!」


と、テーブルを挟みながら2人で握手をする。

この応接室は、金を素材とした物ばかりで、特に金のクソでかいシャンデリアがこの部屋の存在感をアピールしている。他にも、タンスやソファ、机は勿論の事、色々な物が金色で出来ているため、巨大窓から降り注ぐ太陽の光が反射して、キラッキラッだ。


すると、王様の少し後ろにいたミリアが王様に近づき耳打ちした、


「王様、この方の無駄話はとても長いので、早目に本題に入ってください! 私も朝5時から行ったのにこうして、昼になってしまっているのですから!」


と、少しイライラしたような口調で言うミリア。

それに対し王様は、メルビンにちょっと失礼。と断りを入れ、ミリアに耳打ちする。


「今、挨拶したばかりだろう! 何とかするからミリアは黙って見ててくれ」


と、ミリアに黙っているよう注意をする王様。その言葉を信じたのか、すみません。と言って後ろへ下がる。


――こうして、会談は始まった。




――夜


ミリアの予想は的中し、全くもって本題の話ができていなかった。


「――そこで何と! わたくしがこう言ったのですよ! 鼻水出てる分際で、鼻血を語るなと! ワッハッハ!」


何が面白いのか知らないが、メルビンは1人で爆笑している。それに対し、王様も、はは……は。と元気の無い空笑いをかます。

ちなみに、王様がチラッとミリアの方を見ると、ミリアは、「うわぁ! 蝶々だ綺麗~あははは! あははは!」と完全に頭が逝っていた。


(私は何をやっているのだろうか……)


と、王様が先ほどのミリアの言葉を注意したことを後悔しながら、メルビンの無駄話を聞き続けたのだった――

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