火星の子 ~下校~
今日の部活が終わった。今日もまた負けてしまった。今日やったのは神経衰弱だった。神経衰弱は、何ターンもかけてやるものだと思っていた。しかし、今日の神経衰弱は少し違かった。最初の一人目でカードが全て取られる神経衰弱何て俺は知らない。
そんな圧勝で周囲を驚かせたのは、ウラノスだった。確かにカードをもってきたのはウラノスだ。しかし、カードは新品の物だった。それに、一人一回は必ずっ切ってある。それにも関わらず、彼女は圧倒的勝利した。みんなして、「ウラノス、恐ろしい子!」という顔をしていたが、彼女はこれが普通と言わんばかりの表情をしていた。
「さて、私が勝ったのです。罰ゲームに入りますわよ。その前に罰ゲームを受ける一人を皆さんでジャンケンして決めてください」。勿論、負けたのは俺だ。「またいつも通り宇佐美、いい加減飽きてきましたわ。良いですわ。今日はお尻に一時間引かれて下されば結構です。」そんなことを言われ、恥辱の一時間を過ごした。
「はぁ…。」思い出してつい、ため息が出てしまった。「はは、しょうがないよね、だって、弱いんだもん。」ヘラは、ケラケラ笑いながら話してきた。「な、そんなにはっきり言わなくても…。」と、楽しく話していると、もう家に着いていた。家の前まで来て思い出した。「そういや、今日から両親どっちも出張でいないんだっけ。忘れてた。夕飯は適当に即席麺で済ませばいいかな?」母親は何時もいない。たまに帰ってきては、またどこかへ行ってしまう。
「じゃあ、今日から宇佐美くんは、一人なんだ…。」隣から小さく声がした。「うん。そうだな。まぁ、よくあることだし何の問題もないよ。それじゃ、今日はここでじゃぁな。」 話しているうちに周りは暗くなっていた(もともと、太陽は出てないけど。科学の力で作っているらしい)。「うん。気を付けて。バイバイ。」何か考え事でもしているのだろうか。少し、様子がおかしい、ヘラであった。
4月25日〈日付〉 今日も負けた。てか、ウラノスはチート過ぎる。俺ごときが彼女に勝てるのだろうか。そういえば、明日の部活では何か、ペットを紹介し会うとかどうこう言ってたっけな。うちの中でも特にかわいい、ドワーフラビットを持っていくとしよう。
家に帰っても親はいない。即席麺はつまらない味であった。これと同じような物を毎日食べると考えると、憂鬱で仕方がない。とは言ってもしょうがないんけど。ヘラの様子が、少し変な気もした。でも、明日には治るだろう。
持ち物 ウサギ
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