火星の子 ~早朝~
朝が来た。顔を洗って、歯を磨いて、また寝よう。…じゃない。今日から学校だ…ここに来て初めての学校。正直、行きたくない。めんどくさい。俺はただ、寝て、ゲームして、可愛い女の子を愛でて、親の脛をかじって普通に(普通ではないけど)生きていきたいだけだ。「俺に学校は必要ないと思うんだ、なぁ?エリカそうだろ。」「今日も頑張ろうね!お兄ちゃん♪」携帯端末の女の子はそうとしか答えない。
「…ッチ。」仕方ない。学校に行く準備をしよう。まずはカーテンを開けて太陽の光の光を浴びよう。「朝なのに星空が綺麗だな…。そういえばここ、『地球』じゃないんだ。」普段はカーテン開けないし外にも出ないから忘れてた…。
ここは『地球』であって『地球』でない。もしかしたら惑星であるかどうかも怪しい。「ソーラーレイ」そう命名された惑星の塊。人間の化学は進み、火星等の岩石惑星を住みかにするようになったが、各惑星間での連絡が大変で何ヵ月もかかるという理由で太陽系を地球の位置に無理矢理持ってきて、一個の惑星にしてしまおう、とかいう馬鹿げた理由で創られた。製作期間は一年。化学の力って凄い!関心はするが、疑問は残る。
『何故、岩石惑星だけでなく木星などのガス惑星までも一まとめにしたのだろう?』そんなこと思ってるうちに朝御飯を食べ終えてしまった。宇宙生物(今日の生物は、話しかけてくるムカつく顔つきの卵だった…。)には慣れない。
支度が済み靴を履いていると声がした。「行ってこい。」頭は白い烏。身体は人間の父親が言ってくる。もはや側から見たらインパクトしかない。しかし、慣れてしまった。俺は慣れたくないことに慣れてしまっていた。
「ああ、あんたも仕事探せよ!じゃあな!」父親の反応も確認せず、家から出てきてしまった。
家か出て少しすると、後ろから声が聞こえた。
「ねぇ、君。もしかして、『宇佐美 空くん』?」
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