星の子 -star of chidren- 火星の子編

甘噛み姫

火星の子 ~序章~

 周囲は火の海だった。人が燃え、家が燃え、煙はいろんなものが混じりあったこの世のものとは思えない臭いがする。私以外誰もいない。いや、『誰もいない』と言うのは少し違うかもしれない。となりに一人、四肢を引き千切られた死体が一人だけいる。「抵抗するから四肢を切きちゃったけど…まぁ、持ってきたし後でくっ付けて蘇生させればいいかしら?」彼は、私が一緒に世界を創り直う!って誘ったのにそれを拒んでどっかへ行ってしまいそうになっていた。だから切った。間違ったことはしていない。してるはずがない。それなのに彼は…。

 「はぁ…。」空を観ているとため息が出る。こんな日でも星空は美しく大地を照らすかのように出てる。「大地は焼け爛れる。でも空は変わらない。そんな空を素敵だとは思わない?…ねぇ、だから。私と一緒に大地の創造を一から始めましょうよ。きっと簡単だよ?箱庭を完成させるようなものだから。『宇佐美くん。』私と契りを結び、一緒に世界創造主の二人になって私たちの美しい世界を創りましょう。」

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