第6回 恋愛方程式研究レポート
目的
我々が生活している環境において女子は未知の生き物である。そこで本実験を通して密接に関係している女心の理解をより深めたいと思う。そしてあわよくば彼女が欲しい。
理論
<理系の男女>
この県の多くは男子校及び女子高出身が7割であり、県内高校出身者は過半数に及ぶ。故に工学部の男子童貞率(以下DD指数)は他大学の髄を許さない。また、理系女子は個性的であり不思議ちゃんであり彼女たちは時にオタクであり時にコミュ障であり時にファッションセンス皆無であり時に常識が欠落しており時に優しさという感情が欠如している。まとめると残念である。
極稀に美人でスタイルもファッションセンスもよく人当たりもよく性格も悪くない何でお前はこんなところに来たんだと言いたくなるような女性がいらっしゃいますがその場合250%彼氏持ちなので今後の考察からは除外する。(100%=1人)
以下の表1に学部ごとの男女比と変人率(変人の人数/全体の人数)をまとめる。
表1:各学部の女性の割合(大学調べ)
学部 男性[人] 女性[人] 女性比[―] 変人率[―]
工学 625 93 17% 68%
理学 177 87 31% 73%
農学 75 35 30% 37%
薬学 63 34 34% 43%
経済 62 38 39% 21%
教育 115 120 49% 33%
文学 80 111 57% 16%
美術 18 27 60% 100%
音楽 9 33 72% 39%
体育 32 21 46% 22%
医学 44 73 62% 97%(医学科)
(内保健) 8 63 83% ―
<異性接触>
混合物中を移動する成分の移動速度は混合物本体の移動がなければ拡散現象として扱われる。成分A、Bからなる2成分系で成分Aが拡散するときの速度は次のフィックの法則で表される。
jA = -DAB(dCA / dy)
ここでjA[mol/m2s]は拡散流束、DAB[m2/s]は成分A,Bからなる2成分系で成分Aが拡散するときの拡散係数CA[mol/m3]はAのモル濃度、y[m]は拡散方向の距離である。この式は拡散する成分Aの濃度勾配に比例して、それの濃度が低下する方向に移動することを表している。そしてこれはフーリエの式と同じ形で表せている。
つまり物理量流速=αc×(物理量濃度勾配)
αc[m2/s]がその物理量の伝導度あるいは拡散係数となる。
この理論を用いて異性と触れ合う機会を計算する。
大学生活を研究室に入るまでの3年間と仮定し、Aに女性の動く範囲、Bに男性の動く範囲を代入すると男性が大学を卒業するまでに女性と接触できる時間を求めることができる。係数は(習得単位数×授業時間+A+H+S+B)で計算でき、異性係数は平均値を使って求めることとする。
(A,空コマ H,昼休み S,サークル B,バイト 単位はいづれも時間[h])
実験手順
<1年目>
1.異性を見つける。
2.異性に話しかける。
3.連絡先を交換する。
4.メールで会話する。
5.電話する。
6.当たって砕ける。
<2年目>
1.男を磨く。
2.いい子を探す。
3.いい雰囲気を作ってみる。
4.告白。
結果
<1年目>
1. 異性は簡単に見つかった。工学部にも意外と女はいるもので何とか同じ授業等で接点を持つようになった。
2. 最初に異性と話すのは勇気がいる。男友達経由でその人物と親しげに話してる女の子二人との会話に成功した。中学では普通に女の子と話していても高校3年間のブランクが大きかった。お相手は他県の共学出身でありフェアではない。
3. 昨今はGroup LINE(集団線)の発達に伴い異性から連絡先を聞くという操作が省略される。「ハードルの高さと青春恋愛甘酸っぱさがうまく比例した最初にして最高峰のイベントである。」(※1)という意見もあるので少し残念に思えたが、彼女(以下新潟さんとする。)と話したその帰り道に勇気をもってLINEした。
このとき新潟さんはとてもやさしく対応をしてくれた。
私の女性に対する苦手意識は時間の経過とともに減少していた。
4. LINEが発達している世の中で、暗い高校時代を送っていた私は遅れた青春を取り戻そうとメールでのやり取りを希望した。
しかしながら3日ほどでやっぱりラインにしようと断られた。
5. 友人のアドバイスを受け、夜10時ごろ、電話をすることを決断するに至った。新潟さんも気を許したのか複雑な家庭事情から高校時代のストーカーの話まで津々浦々に語ってくれた。(後に被害妄想だとわかる。)
女の子は悲劇のヒロインぶるのが好きなのかと想起したが個人的な意見になるので考察から除外する。
このときノンストップで3時間話した。
6. 新潟さんに告白をした。この時の私の心情は「会話をしたもののこの人と付き合うのは早計じゃないか」というものだったが、新潟さんが早く告白しろという態度を示した。これはDDでもわかるほど明らかだったので自明とする。
ここで問題が発生した。このブサイク俺と2週間付き合った後にほかの男を家に泊め一緒に寝やがった。女はゴミだと思った。こんな顔の悪い奴頭のねじでもすっ飛んでいることにさっさと気付くべきであった。美人ならともかくこんなのに二股されるとか恥だしそもそもこいつに告白したのが黒歴史である。
理系は怖いところだと改めて思い知らされた。女友達のいないオタサーの姫であったと気付いたのはそれから1年後であった。
<2年目>
1. それからまず男を磨いた。
女慣れをして、サークル活動に力を入れ、免許も取った。
ファッションに疎く趣味を変えることもできなかったが私は成長した。
その結果を以下の表2に示す。
表2:男子力表
入学時 1年後
服 疎い 疎い
髪型 一定 カラー&パーマ
趣味 漫画アニメ 少女漫画
サークル 卓球 テニス
勉強 まじめ 一夜漬け
女性耐性 緊張 デート経験
酒 飲まない 苦手
移動手段 自転車、電車 車、バイク
身体 ガリガリ ムキムキ
顔 残念 変わるわけがない
歌 アニソン、東方 TOKIO、東方
この変化を別紙のグラフ1に示す。
一つ一つが微々たる変化だが合計値は昨年とトリプルスコアをつけることに成功した。
以下計算式は表2の結果を用いるものとする。
2. 次に本当に愛せる女子を探すことにした。
恋愛経験がないからとむやみやたらに手を出すことはやめ、ちょっと優しくされたからと言ってこの子は俺のことが好きなのかと疑問を持つことを止めた。
かといってとてつもなく美女に手を出すようなことも避けた。
「自分を好きになってくれる人が好きだ。」という感情をもって行動を心掛けた。(※2)
ここで女性B(以下広島とする。)に焦点を当てることにした。
3. 広島は美人であった。もちろん彼氏がいた。しかし広島から聞くところによると彼女はバスケサークルの飲み会で1年生の時に酔いつぶれ、そのとき介護してもらった先輩とお付き合いを始めたらしい。
反吐が出る。
聴けばその男ども下心ありありで新入生たちを酔わせあとは流れるままにというものだった。そのサークルの男子一年は自己紹介の時に酒をこれでもかと飲まされ全裸であいさつをさせられるらしい。
反吐が出る。
いくら医学部だろうと親が金持ちで300万の車を学生が乗り回してようとこれは許せなかった。
彼女が処女だろうとそうじゃなかろうとそんな些細なことはどうでもいい。
1年がかりで彼女と仲良くなりつつあった。
サークルで知り合った医学部の友人たちの協力のもと、彼氏の浮気の証拠を集めて彼女に教えることになった。
このとき彼氏が広島と純愛をしていたら私に入る余地はない。その飲み会も行為は最低であったが彼の一生懸命の行動なのだろうと受け入れた。
しかし残念ながら、否、思い通り奴は浮気をしていた。
彼女を彼氏と別れさせ、そしてその一月後に一緒にスノボーと温泉旅行に行くことになった。このときの男女比は3:3である。
温泉街で別行動をすることになり広島と私は二人で行動することになった。
4. 広島は楽しんでいるようでどこか寂しげな顔をしていた。
それはそうだ。遠くから一人で上京し、大学で初めてできた先輩の男が浮気をしていたのだ。そして別れたばかりである。この時の女性の心境は少女漫画で勉強済み(※3)だったので私は彼女を笑顔にすることで気を使った。
そして言葉選びを慎重にした。
広島から話をしてくれた。彼女の話をよく聞いて、全部受け止めて、そして彼女は涙した。
俺はお前が好きだよ。その優しいところ。方言のかわいいところ。美人で、俺に明るく声をかけてくれて、ずっとずっと好きだったよ。俺じゃお前に釣り合うような男じゃないことは知ってたからさ。元カレみたいに顔もよくないし、背も高くないし。すごい車も持ってないし、お金もないし、バイトは頑張ってるけど、その分会える時間も少なくなっちゃったけど、俺はお前を裏切らないからさ。こんなにいい女なんだもの。ずっとずっと愛する。だから、
「俺と付き合ってください。」
時が止まった。
…って今落ち込んでる時期なのにね、ごめんね。早く元気になってね。
って言ったことまでは記憶にあった。記録には残ってない。
彼女が泣きながら笑うところはとてもかわいかった。
※1 ケータイの無い時代が最強という説を唱えている。→例 東京ラブストーリー、公衆電話時代の初期コナン、ポケベル世代論(小学館)
※2 通称「チョロいな」と言われている。
※3 女心はどうしてもわからないものである。
考察
・図1~3に着目すると時間の経過につれ任意の点における心拍数はすべて上昇していた。また時間の経過とともに各人における温度差は小さくなっていった。これは「片思学第二法則」にしたがうもので恋は愛情の高い人から低い人に移るという性質に基づく現象だと考えられる。
・図4~6の0[day]~120[day]までに着目するとどの人間関係を用いた場合もテンションからの高さ0[cm]では他の高さに比べ時間当たりの熱量変化が大きかった。これは「愛に障害は付き物の法則」により説明できると考える。「愛に障害は付き物の法則」によると熱流束は温度差に比例し距離に反比例することがわかる。したがって今回の考察条件下では温度差が大きく距離間も短いので熱流束が大きくなりグラフの傾き(時間当たりの愛情変化)も大きくなっているのだと考えられる。その後各人間関係において温度差がなくなってきたのは上にも示した通り「片思学第二法則」にしたがうからだと考える。
課題
(1)
「かわいいは作れるの法則」よりカワイイは作れることがわかっている。また、「カワイイは正義」の理論よりカワイイ=正義である。そして「正義の反対はまた別の正義」論理と、「愛と勇気だけが友達さ」の定理により、「女の子はみなカワイイ」という結論に至った。女の子が大好きだ。特に西日本の方言女子は素晴らしい。広島弁は最強。Q.E.D.
(2)
「恋は盲目」とは好きな人の嫌な部分が見えなくなる病気で、特に初めてどうしの男女間に起こりやすい。今回の1年目の実験結果が示すように、ブサイクで気持ち悪いしゃべり方で見えるところの毛の処理もできず化粧すらせず服の趣味が死んでいてさらにV系好きのホモ好きな一丁前に女性の権利を主張する浮気性のオタサーのブスでも間違って告白しちゃったりする。ノーカンでお願いします。このような違いがみられた理由として、私が高校3年間男子校で過ごして女ならだれでもよかったという思考だったからだと考える。またチェリーであったことも非定常な状態になった一因だと考える。
(3)
メンヘラに壊されるダメージ量とツンデレの変化率について以下にまとめる。
M [人/グループ] 46.07
ρ [人/km] 785.0
A [-] 7.33827
B [♡] 1652.05
C [♡] 231.48
Aicitel式の愛情範囲 [♡] -3~97
σ [A0] 4.53
T=30♡の時
log10P=A-(B / C+T[♡])より
=7.33827-(1652.05/(231.48+30) )
P=10.471[愛重]
x(表面のグループ分率)=P / P(愛重)
=10.471 [k愛]/ 101.3[k愛]
=0.103[-]
ρメンヘラ=Mメンヘラ[人/グループ] / (1000×0.0224(273.15+T[♡] )/ (273.15))
= 28.02 [人/グループ]/ (1000×0.0224(273.15+30[♡] )/ (273.15))
=1.127[心/愛重]
ρオタサー=Mオタサーx+Mメンヘラ(1-x)/ (1000×0.0224(273.15+T[♡] )/ (273.15))
= 32.05[人/グループ]×0.103+28.02(1-0.103)/ (1000×0.0224(273.15+30
[♡] )/ (273.15))
=1.143[心/愛重]
ρmix = (ρオタサー+ρメンヘラ) / 2
= (1.127+1.192) / 2
=1.135[心/愛重]
w (表面の愛情分率) = Mデレ[人/グループ]x/ (Mデレ[人/グループ]x+Mツン[人/グループ](1-x)
=46.07×0.103/( 46.07×0.103+28.02(1-0.103))
=0.159[-]
ここでツンデレの人前低下速度は理論拡散係数を用いて以下のように算出した。
DAB理=(1.86×10-3T3/2(1/Mデレ+1/Mツン)1/2 / Pσ2Ω
=0.136[キュン/s]
NA=(wρDAB理)/((1-w)l)
=2.03×10-4[キュン^2/赤面s]
NA=u×ρより
u =2.59×10-5[キュン/s]
温度が高くなるほど人前低下速度も大きくなった。
あとがき
私は理系女子を誇りに思う。美術に生きる人間の美しさも医学を学ぶ彼らも尊敬している。
要所々々言葉の使い方や計算が間違っており不快に思う方もいるかもしれないが、理系の方々はその文章に対してツッコミを入れながら楽しみ、理系以外の方はその真剣な気持ち悪さを楽しんでいただけたらと思う。
また私情が入り込みレポートとして提出するには不適切な文章になってしまったのでネットでこのレポートを公開しようと思う。
このレポートがDDで悩む人々の助けになることを切に願う。
参考文献
※1 佐々木早希雄著 青春工学便覧改訂5版p21 丸善株式会社 平成9年3月18日※2 九頭竜坂久太郎他著 純愛攻略本p197~202 木下出版 平成27年5月9日
※3 Syoucom-Ilover著 Margaret Dessert B.C.p1280~1295
Flower & Dreamers出版 昭和63年3月12日
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