第6話 輝く竿とエロゲの首飾り
ここで整理しよう。
俺らの竿…。すまん、えっと、武器はどこかに持っていかれてて…?
で、俺たちはじゃらじゃらと鎖に触手プレイをされてる真っ最中…。
ん?これ逃げ道なくね?
女騎士「クロスよ、何か良い案は浮かんだか?」
「…何も」
女騎士「ふむ…このままだと…。そうだな、きっと処刑だろう…」
…それ、絶対拷問受けてから殺されるパターンや。
三角木馬とか。
「…こう言う時、ラノベの異世界物なら…」
女騎士「ラノベなどと言う変な言葉を吐くんじゃないぞ?女寝かせてケツを上に向けさせる体制の隠語だ」
…。
まんぐり返しがラノベなのか?
「…ええと、あれだ。こう言う世界の伝記…?ならどうするのかなってさ」
女騎士「ほう、それならばきっと良い案があるだろうな!」
「…ただ、大体仲間が助けに来てくれるパターンなんだけど…。無理か」
女騎士「それは無理だ。なんせファック最強のアクメ隊が半壊滅しているのだ」
絶対負けそうな名前ですがね。
「…うーむ。じゃあ、どこかの岩がすっぽ抜けたりとか…」
女騎士「よくわからんが、どこかの岩が射精る事を言いたいんだな?」
半分意味合ってるじゃねえか。
「…おっ。なんかご都合主義的にここの岩が外れそうだぞ?」
女騎士「本当か!?」
「ああ。…ん…?いや、マジで簡単にすっぽ抜けた…」
すぽん!
女騎士「こ…こんなに簡単に射精るのか…」
「ちょっと黙れ」
…?
いやいや、ご都合主義にしても…?
なんでこんなに簡単に…?
おまけになんかその岩だけ色違ったし。
…謎は深まるばかりだ。
女騎士「どうだ?下は見えるか?」
「あー…暗くて分からんが、なんか光る竿とかいろいろあるぞ?」
女騎士「見せてみろ…」
女騎士「…おおお!!あれは約束されし勝利の竿ではないか!!」
「本当か!?」
女騎士「ああ!それにエロゲの首飾りまであるぞ!!」
何その痛アイテム。
コミケで販売されてた感がすごいぞ。
女騎士「よし!あの二つがあれば百人力だ!!」
「エロゲの首飾りってなんだよ?」
女騎士「簡単に言えば、我が国の中核に眠る巨大アナル(兵器)の発射装置の鍵だ!!」
「エロゲがぁ!?」
女騎士「ああそうだ!「エ」ブストラクト「ロ」ーザリニウム「ゲ」ルフィトス!!アナルの名前だ!」
「そこは普通の略称なのな!?」
「っつか、なんでお前が持ってんだよ!?」
女騎士「ふっ…忘れたか?私は王ファック騎士団アクメ隊一番隊長だ!隊長がアナルの指示を出せず何をすると言うのだ!」
「いや、じゃあ前線になんで出てんだよ。城にいろよ」
女騎士「人手不足は切実でな。私達も前立腺に駆り出されているのだ」
「…っつか、別にそんな首飾り永遠に付けてなくても良いだろ…。クッソ危ない物」
女騎士「ただの首飾りにしか見えないから、この宝物庫に放置されたのだろう…。この効果を知ってるのはティンポとファック王のみだ」
…。
そう聞くとなんか卑猥なアイテムに聞こえる。
女騎士「よし!エロゲは手に入れたぞ!」
「竿は?随分下の方に置かれてるが」
女騎士「この首飾りで柄に引っ掛けて…」
「…そんな重要なもんを引っ掛けるお前に絶望だわ」
女騎士「気にするな。単品ではただの首飾りだからな」
ガシッ!キンッ!と金属音。
おおっ!以外にもふっつーに取れたぞ!!
女騎士「よし…!クロス!足を寄越せ!」
「その言い方怖いんだけど!?何!?SAWなの!?SAW!?足首持ってかれるの!?」
女騎士「鎖を断つだけだ!!」
ガキン!!
女騎士「よし…」
「…クッソギリギリ切りやがって」
女騎士「…」
「ん?どうした」
女騎士「…何故かいつもよりも竿の調子が良いな…」
「ふたなりか」
女騎士「何故だ…?勝負で買った覚えはないのだが…」
「…何か敵の罠だったり…か?」
女騎士「…」
女騎士「あ、いや、思い出した。お前との罵り合いで拮抗した上で勝利した影響か」
「そんなクソみてぇな勝利で良いのかよ!?」
女騎士「よし、この調子で壁も切り裂いてしまおう」
ザグッ!!サグゥ!!
「うっお…マジで切れ味は良いんだな…よし!さっさと逃げよう!」
女騎士「ここは…そうか、スカルファックか」
「…ああ、そーだそーだ。スカルの国ね。ここからどう行けば良い?」
女騎士「直線距離にして…およそ50km…。日暮れまでには間に合わないな…」
「森を突っ切るのか?」
女騎士「ああ、突っ切らなければならない。だが、あそこは「迷いの森」。一度入れば出てこれない。運よく出れても、滅びたエルフ族の廃墟に出るだけやも知れん」
「うかつに入れないか…。と言う事は…」
女騎士「…回り道。帰るまで数日掛かるかも知れないな」
「…だが、ここに居るよりかましだ!行くぞ!!」
女騎士「応!!」
…。
こうして俺は、長い長い旅に出た。
道中、小さな湖を見つけては水分を補給したり、木の実を食したりしていたのだが…。
「…お。この木の実うまいな」
女騎士「ああ、栄養価も高く、我々もいくらかは栽培しているぞ」
「もう少し食うか…」
女騎士「名前は「金玉の実」だ」
「ブッーーーーーー!!」
女騎士「二つ食えば、女ですら男のような力が出ると言われてる」
「…やっぱいらね。いや…緊急時だけ食うわ」
女騎士「良いから口を洗え。金玉の白い汁が口に付いてるぞ」
「うっせえよ!?嫌だわ!!」
「そう言うお前だって…っ!」
…。
女騎士の大きく開いたビキニアーマーの隙間に…!
こ、この木の実の汁が付着して…!
な、なんかエロい!!
「く、口洗って来るわ…」
女騎士「それがいい、そこの…ん?なんだったか…そこの泉の名前は」
「言わなくていいよ。どうせ小便の泉とかとでも言うんだろ?」
女騎士「ああ、思い出した。おしっこの泉だ」
「大体同じじゃねえか畜生!!!」
…。
なんて事もあった。
だが、日が山々に沈み始め…。
景色を清涼剤に歩き続ける…。
足がずんぐりと痛み始めるが、そんな事を言ってる暇も無し。…もうすぐ、夜が来る。
野宿する場所でも探すのだろうか…。
ふと聞いてみる。
「…なあ、もう夕暮れなんだが…。野宿する場所とか探すのか?」
女騎士「…はぁ。答える前に、足元をしっかり見て歩け。ここの吊り橋は事故が多いのだ…」
「ああ…。で、野宿は?」
女騎士「…はぁ。…しないな」
「ええ!?」
女騎士「…はぁ。…別段、する必要もないだろう。街まで歩くスタミナは…ある」
「マジかよ…スタミナ切れてるように見えるけど?」
女騎士「…はぁ。…そもそも、ティンポは寝る事など必要ないしな」
「…え?俺クッソ眠いんだけど」
女騎士「はぁ…。精神力の問題だろう。…それに、クロスの数倍は足が速い」
女騎士「…もしも今の速度で歩いてくれてなければ、きっと本物に戻った時、私は着いていけぬだろうな…」
「…どっかで休憩ぐらいすんだろ?二人で」
女騎士「はぁ…。しないさ」
「休憩すらしないのか!」
女騎士「…私はしたいさ。疲れているからな…。はぁ…。それに、冷たい石畳で寝たせいか、若干熱っぽい」
「マジかよ…。橋渡ったらすぐ休むぞ」
女騎士「そ、その必要はないさ…!!それに…それに…」
「…?」
女騎士「…はぁ…。きっと、本物のティンポならば…見捨ててサクサク歩いて行くだろう…な…」
「え…?」
女騎士「…クロス、揺らすな」
「揺らしてないぞ…?」
女騎士「…限界…が、近い…な。早く渡ろう」
「お、おい!!お前!顔真っ赤じゃねえか!!」
女騎士「だい…じょうぶ。あと、たったの数メートル…は」
女騎士「…は」
「…?」
女騎士「はっ…!」
「おい!?」
女騎士「はっくしょい!!!」
ズルっ!!
…女騎士の足が…板から滑る…。
断崖絶壁、下の川が数センチにしか見えない高さ…!
こんなところで落ちたら!!!
…くしゃみの「溜め」段階で、俺はそのフラグを察知した俺はすぐに動いた!!
がしっ!!!
女騎士「はぁ…。はぁ…」
「うおおおおおおおおお!!超こえええええええええ!!」
「おい!!起きろ!!あとたった数メートルだろ!?」
女騎士「はぁ…。はぁ…」
「熱っいし…!くっそ!筋肉ばっかで重い!!!」
「ぐっそおおおぉぉぉおおおおおおおおおお!!!ファイトおおおおおおおおおおおおお!!!」
グイイィィ!!!
「いっぱあああぁぁぁぁあああああつ!!」
…。
…。
…。
「はぁ…!はぁ…!」
女騎士「はぁ…。はぁ…」
「ちっくしょう…!ほら!起きろ!!渡ったぞ!!ティンポの筋肉に感謝しろよ!!」
女騎士「はぁ…」
「…くそっ…。とりあえず…!」
「…タオル…頭にのせて…それで…」
女騎士「し…しんぱい…するな。ティンポ…」
「クロスだよ!すぐなんとかしてやる!!」
女騎士「…ふ…ふふ…。や、優しい…んだな…」
女騎士「だ…だがな…?金玉の実には…解熱などの効果も微妙に…含まれている」
女騎士「心配しなくて…いいぞ」
「…だ、だけど…!」
女騎士「それよりも…。夕暮れだ」
ドクン!!
「…!!」
視界が傾く。
揺らすなよ…こんな時に!!
こんなクッソ大変な時に!!
女騎士「…戻る…時間だろう。いってこい…。そして…」
女騎士「戻って来るな…よ?」
「ぐ…お…おお…お!!」
…精神力の問題って言うなら…!!
「おおおおおお!!!」
「おらあああ!!」
ぺしっ!!
女騎士「いたっ…!つめた…」
女騎士「…心配、いらんといったろう…に」
…!
よっし…!タオル絞って冷えピタじゃ!!
これだけは…しておきたかった…。
「…じゃあ、な」
…。
急激に…揺れは激しさを増した。
インフルエンザにかかって…頭痛がヤバい時みたいな揺れ方だ…。
一瞬、「あれ?これ死ぬんじゃね?」って気持ち悪さ…。
そして最後に!!
急激な落下!!!
ギュウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
ドタ!!!
「!?」
…。
現実に戻って来た。
そして、また…ベッドから落ちて目が覚めるの…。
「…だぁ!?」
…!?
な、なんか今…!?
「すれ違った!!!」
…。
あ、ありのままに起こった事を話すぜ…!
俺は今、眠りから覚めようとした直前っ!!
「もう一人の俺」とすれ違ったっっ!!
な、なにを言ってるか分からねぇだろうが…。
恐ろしい夢の片鱗ってものを味わったぜ…。
「…いや、夢だ。絶対」
「…おまけに遅刻すれすれじゃねえかあああああああああああああああああああ!!!」
…。
こうして俺は今日も、元気に社畜するのであった…。
朝、目が覚めたらファンタジー異世界のチ○ポになってた件 ドリメタ @dreammeter
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。朝、目が覚めたらファンタジー異世界のチ○ポになってた件の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます