第4話 三大パワー結集!! 乳首姦&死体姦 VS 脇姦

…。

…。

…。


逃げた。

…逃げ出した。

無理だよあんなの…!勝てる訳が…ない…!!!


サキュバス「うふ…♪うふふふふふふ…♪」


オーク・ローパー・ドワーフ・ゴブリン「んほおおおおおおおおお!!!」


サキュバス「骨抜きにしたげる♪」


…。

戦闘の経験が一切ない俺は、彼らの統率を取れるはずもなく…。

部隊は壊滅の危機に瀕していた…!


「「うおっ!うおっ!うぶっ!んほっ!」」


…なお、これらの声は、マジで行為がおっ始まってる様だ…。

敵はサキュバス。

隊の後ろから全力の奇襲、そして次々に男どもの精が刈り取られていった…。

いや、イッた。

危険を感じ、岩陰に隠れた…は良いが、吸引しどんどん強くなるサキュバスを相手に、全く勝てる気がしない…。

これが乳首と死体の力か…!


「「らめぇええええ!!イッひゃうにょおおおおおおお!!」」


ぐっ…!仲間の悲痛な叫び声…ってか、男どもの声なんざ聞きたくない!!

俺は両目を閉じ、耳を塞ぎ、口を噤む事しかできない…。

すまん…!すまん…!


から…からからから…


「!!」


横の石が転がる感覚…!

まさか…!


ガシッ!


???「見つけたぞ」


「うわあああああああああ!!」


駄目だ…!

殺される!!!

皆みたいに…!精を全部持ってかれちまうんだ!!!

きっとカラカラのミイラみたいになって…!俺は死んじまう!!


最後のあがきとばかりに竿を抜き放とうと手をかける…。

が…!柄を思い切り押され、それは再度、包茎に戻ってしまった…。


嫌だ…!嫌だ!!!

死ぬなんて…!嫌だ!!!


女騎士「ティンポ!?お、落ち着け!私だ!女騎士だ!!」


「へっ!?うおわ!?」


女騎士「…特殊部隊は壊滅か…」


「お、女騎士は無事だったのか…!?」


女騎士「ああ…背後から唐突にサキュバス…。なんて卑劣な奴らだ…!」


「そ…そうか…」


女騎士「…しばらくここに隠れよう」


「ああ…」


女騎士「…そして、はっきりさせよう」


「…え?」


女騎士「…なんでもない」


…。

…。

…。


日が落ち始めた頃…。

ついに岩の向こうから喘ぎ声が途絶えた…。

同時に、黒い翼のはためく音…。サキュバスは行ったようだ。


…。

ぶっちゃけ、マジで助かったと思う。

だって、時刻は夕暮れ!!

ようやく…。このしみったれた夢から目覚める事が出来るんだ!!!


本物のティンポよ。後は頑張ってくれ…。


女騎士「…行ったか」


「ああ…そのようだ」


女騎士「…これで…はっきりしたな…」


「…何がだ?」


女騎士「…お前の事だ」


「…へ?」


彼女は、先まで構えていた剣を仕舞い、こちらを向いた…。

…だが…。

例える事の出来ない…不思議な表情だった…。


女騎士「…なぁ…ティンポよ…」


「なんだ…?」


女騎士「…二人きり…だと言うのに、私の名を呼ばないのだな…」


「…え?」


女騎士「…一週間も前からだろうか…」


女騎士「…お前の様子が…おかしくなったのは…」


「…!」


女騎士「…いや、訂正しよう…」


女騎士は強く目を瞑り…。

そして、くわっ…と開いた…。


女騎士「お前が!!「朝7時から夜の7時まで、偽物になっていた」のは!!」


「なっ!?」


女騎士「…今のお前は偽物だ…!本物のティンポではない!!」


「…」


女騎士「…私は、気づいたさ…。お前が人の言葉に突っ込みを入れ続ける様…。そのおかしさに…」


女騎士「そして、何度も私と振るったはずの「勝利の竿」を見たこともない…などと言うお前で半分確信した…」


「…根拠は…それだったのか…」


女騎士「…なあ…?なあ…!?」


女騎士「本物のティンポはどこに行ったんだ!?そしてお前は誰なんだ!?」


「…」


女騎士「てっきり私は…!敵がティンポになっていると思い込んでいた!!」


女騎士「言動の数々!!竿の腕の数々!!そして!!」


女騎士「…なにより、作戦会議に消極的なお前を見てな…」


「…」


女騎士「…本物のティンポは好戦的で…!もっとぶっきらぼうな言動をしていた!!」


女騎士「他の奴は!!少しの違和感に気づいても、誰も触れなかった!!」


女騎士「…分かったのは…。ティンポと長く過ごした私だけ…」


女騎士「…強く。そして…孤高のティンポ…」


女騎士「それが…私が…愛した男の姿だった…」


「あ、愛した…!?」


「あっ…!」


思わず言葉を止める。


女騎士「…ほらな…。やはり違うのだろう…?」


「…」


女騎士「…違うのだな…本当に…」


「…」


女騎士「…だが、敵ではない…」


「…!そ、そうだ!敵じゃないんだ!!」


女騎士「…もしも敵ならば、ここで隠れている間にでも首を取っただろう…」


女騎士「だが…それをしなかった…」


「…」


女騎士「…なぁ…もう夜の7時だ…」


女騎士「お前が…誰なのかを教えてくれ…?」


「…」


「…俺は…」


…。

そこまで言って、言葉が繋がらない…。


「…いや、信じてもらえないだろう…けどさ…」


とぎれとぎれに…。

本当に…この事を言っても大丈夫なのか…?不安で仕方がなかった…。

…ただ…。

ただ、この女性を敵に回すなんて事はしたくない…。


女騎士「…」


…ただ、好きな人がいつの間にか違う奴に変わっていた事に対して…俺以上の不安感を抱えてるだけなんだ…。

…そうして俺は、ぽつり…ぽつりと話し出す。


「…ここに…どうやってか来たか…。…それは分からない。…ただ…その時間だけ…。ティンポになってしまっている男だ…」


女騎士「…なって…しまっている…?」


「…分からない。普通に仕事して、家に帰って眠ると…」


「…俺は、毎朝起こされる所から始まる…」


「ティンポ!ティンポ!…なんて揺らされて…。訳も分からないままに…!」


「…俺は・・・俺は…!」


「朝、目が覚めたらファンタジー異世界のチンポになってたんだ…!!」


女騎士「…」


「た、ただ!信じてくれ!!俺は敵じゃない!!他の世界で、立派に普通に働いてるただの男なんだ!!」


女騎士「…」


「だから…戦争だって経験した事ないし…。こうやって…甲冑を着けて練り歩く事なんかも無い…!!」


「豪華なローブや、豪かな城!!今まで、見た事も聞いた事も無いんだ!!」


女騎士「…」


「…それに…。ティンポって名前だって…。最初は死ぬほど驚いたよ…」


「…知ってるか?俺の元居た世界じゃ、ティンポって男性器って意味なんだぞ…?」


女騎士「…?だ…んせいき?」


「…えっと、ちんこ」


女騎士「ちん…?」


「…ペニス」


女騎士「///!?」


ボッ!と頬が赤く染まる女騎士!

俺はついつい突っ込んでしまう…!


「それは伝わるのかよ!?」


女騎士「じょ、冗談を言うな!?」


「冗談じゃねえよ!?ファックファックお前ら連呼してるけどさ!?それ、トイレって意味だからな!?」


トイレ=ファック

の図式。


女騎士「そ、そんな馬鹿な!?」


「…ま、そんなこんな…で」


「…それ…をさ、打ち明けずに…。今まで騙してて…」


…。

ただ、俯いて…。

俺は…自分の過ちを認めた。


「…ごめん。…悪かった…」


女騎士「ティンポ…」


…。

不安そうな女騎士の顔…。

そして…。

そして…!その後ろに…!


「…皆…」


…さっきまで、冗談の如く力強い怒号を連呼していたはずの…。

仲間が、力なく倒れていた…。


「…隊を壊滅させてしまった…」


「沢山の命を…奪って…しまったんだ…俺…」


…さっきまでの楽観が、急に恐怖へと変わる…。

そうだ…俺は、オークやドワーフを…。

ただただ…何も知らないからって…!無駄に殺してしまったんだ…!


ぞわぞわと虫唾が走り出す。

俺は、ただぬけぬけと隠れて!!ただ!餌にしてしまった!!!


「…そう…だよ…俺。…皆…死んじゃったんだ…」


女騎士「…ティンポ…!」


「…な、なんで帰れるって…浮かれてんだよ…!?」


「なんでそんな楽観視出来るんだよ!?」


「目の前で次々死んでるってのに…!俺の采配が悪かったから死んでるってのに…!」


「なんで夢だからって!!そんな馬鹿にしてたんだ!?」


女騎士「…落ち着け!!ティンポ…!!」


「うわあああああああああ!!」


女騎士「落ち着け!!!」


パシン!!


「…!」


…。

それは確かな…。

そして、優しさの感じる手のひらの攻撃だった…。

…ただ、威力が無い訳ではない。

俺の視界は、その力のままに右斜め上へと焦点を変える。

…素敵な…綺麗な。

俺が居た世界と何も変わらない…。いや、もっともっと…輝きのある夜空が見えた。

遠くはまだ赤色で、山は逆光で闇より深い黒い色…。

…。

女騎士が、俺を落ち着ける為に放ったビンタは…。

想像をはるかに超えて、俺の意識をこの世界へと戻らせた。


女騎士「…事情は分かった」


女騎士「…いや、はいそうですか…。と納得は出来ない…。だが…」


…。

何を言われるか分からない。

…仕事でミスをして、諭されるかのような叱りを受けた時のように…手の関節に嫌な力が籠る。


女騎士「…」


女騎士「…お前も、大変だったんだな…」


「…!?」


…。

予想外の言葉に、一瞬…。思考が止まった。


「お、怒ったり…しないのか!?…し、しろよ!?普通するだろ!?」


女騎士「隊が壊滅したのはお前のせいじゃない…。私達一番隊だって、奇襲に対抗する事は出来なかった…」


女騎士「…誰も、そこを責めたりしない」


女騎士「そして、そんな一般市民に…戦略を押し付けた事…それは詫びよう…」


「…わ、詫びる事なんて何も…!」


女騎士「…お前が違う人間だと気づいていながら、それを一週間も放置した事を…だ」


「…」


女騎士「…さて…。もうすぐだろう?」


「…あっ…」


女騎士「…7時」


視界が縦に揺れ始める。

あと、30秒もせずに…俺は元の布団に戻るだろう…。


女騎士「…願わくば…」


女騎士「もう二度と。この世界に来てくれるな」


「…!お、女騎士!」


女騎士「役職を言うな…私は…私の名は…!」


…!

…素敵な笑顔を見せる。


女騎士「私は、王ファック騎士団、アクメ隊一番隊長…」


一週間前の勝利の凱旋で…街の小さな娘から花を一輪貰った時に見せた…。

あの、女神のような笑顔で…。


彼女は、名前を言った。


女騎士「…マンコだ」


「…ふぁっ!?」


!?!?!?!?!?!?!?!?

はあああああああああああああああああああああああああああああああ!?

ぶち壊しなんですけど!?今の今まであったシリアスな感じが全部吹っ飛んだんですけど!?


女騎士「マンコだ。忘れるなよ?もしもまた、ここに来てしまったら…早く帰れるように手伝おう」


忘れられねぇよ!!そんな名前!!!

…突っ込みを入れたいが、今、そんな事を言ってる暇はない…。


「お、おう…」


と、あたりさわりのない答えを出すので精一杯だった…。


女騎士「…さあ、さらばだ…」


揺れが激しくなる。

段々と平行感覚を保っていられなくなる…。


「…」


打ち明けてくれた彼女…打ち明けた彼女に礼でも言おう…。


…と思った瞬間…!


「…!」


「マンコ!!危ない!!!」


女騎士「!!!」


サキュバス「うふふふ♪」


彼女の背後から、サキュバスが特攻して来たのだ…!!


ガキン!!

鈍い輝きの勝利の竿を抜き放ち応戦する彼女!

だが…!目の前は紐で吊るされたカメラのように揺れている…!!


女騎士「早く!!早く戻るんだ!!」


女騎士「元のティンポに戻ってくれええええええええええええ!!!」


「!!!」


その瞬間…。


…。

…。

…。


ドタン!!!


「…!」


…。

俺は、ベットからずり落ちたのだった…。

見慣れた天井、見慣れた太陽光…。


現実に…帰ってきたのだ…。

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