第3話 王ファック騎士団、アクメ隊1番隊長

…。

…。

…。


あれから大量の良いアナルに関して話された俺は、微妙に洗脳でもされたかのような頭痛から解放されたいが為に、アナル倉庫を抜け出して城内へと歩みを進めた。


「…はぁ。…なんだよ。アナルって本当に…。しかも複数形はアヌスとか訳分からんわ…」


「…」


ふと、中庭へと続く回廊を進む最中に考えを巡らせる。

…と、言うよりも、自分を誰かに褒めて欲しかった。

何故って?


…こんなクソみてーな世界で、誰一人ティンポの偽物だって気づいてない事をだよ!!!

普通に考えてみろよ!?朝起きてから卑猥な単語連呼されたってのに、全く…と言うと嘘かも知れないけど、動じる事なくティンポっぽさを貫いたんだぜ!?

…ティンポっぽさってなんだよ。


…この夢を見始めてから…もう一週間。

よくぞ俺は頑張った。偉い偉い。


…そしてそのまま歩を進めると…。


「お、あれは…」


城の中庭で一人佇む女騎士を見つけた。

よく見ると、剣を構えて精神統一してるようだ。

ああ、多分まともに話せるのはコイツだけだろう…。

他の奴だと突っ込みが追いつかないからな…。


「よお」


女騎士「むっ?ああ。なんだティンポか」


前言撤回。

お前、今の言葉をもう一度読み返してみろ。


「う、うむ」


女騎士「なんだ?何か用だったか?」


「いや、なんとなく声を掛けただけだ」


女騎士「そうか…いや、丁度良いタイミングだったかも知れんな」


「ん?何がだ?」


女騎士「二つある。一つは…。ううむ…いや、これを言っても良いのだろうか…?」


少し顔を赤らめる女騎士。

いいぞ!可愛いぞ!


女騎士「…いや、片方は確証が無いからな…。こっちから話そう…。実は…」


「おう」


女騎士「少し、「竿」の調子が悪くてな…」


「…おう?」


女騎士「竿だ!竿!なんだ!?みなまで言わせる気か!?」


…え?ふたなり?

つか!?マジでなんの隠語なのそれ!?


「ど、どれの事かな!?」


女騎士「…これだ」


差し出されるは剣。


「剣かよ!?」


女騎士「…?つるぎ…?」


「あっ!?いや!なんでもない!竿だな!竿!」


女騎士「…」


あぶねー…!現代語はここじゃなんて意味に取られるか分からねぇ!!

前に「トイレどこだっけ?」って聞いたら、「何を破廉恥な!!」と、親父にぶっ飛ばされたからな…。

なお、トイレと書いて「セックス」と言う意味だ。

例文「なあ、俺とトイレしないか?」「貴方のトイレは激しくて嫌い」


「…で、竿のどこが悪いんだって?」


女騎士「みろ…。輝きが失せているだろう?」


…?

別に?


女騎士「…本来、この「約束されし勝利の竿」は、もっと輝いていた」


「待て待て待て待て!!!」


女騎士「…なんだ」


女騎士が不服そうな顔で返す。

それどころじゃねえよ!!


…い、いや。そういうものだと割り切ろう!そうしよう!


「…い、いや、そんなに輝いていたかな…?と」


女騎士「…見た事が無かったかな?」


「え?あ!そ、そうだ!ああ!見た事無いな!どっかで話だけ聞いたようなー…」


女騎士「…」


女騎士「…やはり、見たことは…ない…か」


「…ちなみに、どうやって光を取り戻すんだっけ…?」


女騎士「ああ。これは勝利につぐ勝利が必要だ。勝利が光を呼び戻す」


「…へえ」


女騎士「勝利が竿の力を呼び戻すんだ…」


「あえて何も言うまい…」


女騎士「…ちょうど良い。今、確証が出来た…。もう一つの質問も聞いてくれるな?」


「ああ。良い…ぞ…!?」


…。

約束されし勝利の竿…。

その先っぽが…。


俺の鼻先をかすめた…。


「なっ!?」


女騎士「…さあ、質問をさせて貰おう…ティンポ」


女騎士「いや!!ティンポを偽る男よ!!」


大きく振りかぶられる剣。いや、竿。

俺は一瞬の思考停止の上で、自分の腰にも竿がぶら下がっている事を思い出す!

…いや!隠語じゃねえよ!普通に剣が腰に下がってんだよ!


それを抜き放ち…防っ…!


ズバン!!!


「…」


女騎士「…」


…。

風を切り裂く音…。

閃光。

奴の竿は…俺の首筋でピタリと止まった…。


女騎士「…貴様はティンポではない…」


女騎士「いや、「もう一人ティンポ」…とでも呼ぼうか」


「な、なにを根拠に…!」


女騎士「それは…」


奴が…その盛大な理由の子音を言おうとした瞬間…。

けたたましい音が、中庭で何度も反射して耳に届いた。

カァァアアン!!カァァアアン!カァァアアン!!


女騎士「!!」


「!!」


女騎士「…!敵襲だ!!ティンポ!イクぞ!!」


「あ、ああ!!」


その言葉を、最後まで聞く事は出来なかった…。


…。

…。

…。


女騎士「ファック王様!!敵襲か!!」


国王「女騎士!!待ちわびたぞ!!」


ドワーフ「どうやら、ついにスカルとニプルが攻めて来たようだな…!」


「勘弁してくれ…!」


国王「すぐさま作戦本部を開くぞ!!」


「「応!!」」


…。

なんか敵襲…?らしい。

ドワーフが走り、アナルの元へとひた走る。

…ふと窓の外を見ると、町人達は大きく慌てふためいていた…。

いや、スカルとかニプルとか言われても…ホント勘弁して欲しいだけなんだけどさ…。


国王「ティンポ!!何をしておる!」


「え!?あ、おう!!」


タッタッタッタ・・・


女騎士「待て!!ティンポ!!」


「!?」


国王「女騎士!何をもたもたしておる!!」


女騎士「…彼には前立腺に出て頂こうと考えております」


「前立腺!?」


女騎士「戦の先頭と言う意味だ」


あ、前線か。

「ぜん」と「せん」が合ってるのが腹立つ。

…って…え?


国王「ほう…それはどうして?」


女騎士「実は…お恥ずかしい話ですが、一度ティンポに…竿の腕で後れを取った事があります…!」


「ふぁっ!?」


国王「な、なんだとおおおおおおおおおおおお!?」


女騎士「王ファック騎士団、アクメ隊1番隊長の私が…です!」


なにそれ全員んほぉひぎぃしそう。

…絶対お前くっ殺だろ。


国王「そ、それは本当か!?」


女騎士「本当です…!」


国王「むむむ…!我がティンポながら…。それ程の実力を隠し持っていたか!!」


親父の股間が異世界を救う力を持っているそうですよ?

…新しいラノベのタイトルかっての…。


女騎士「なので、私と共に、ティンポを活躍させたく思います!!」


「か、活躍って…」


そんな剣の腕、俺にはねえよ!!


国王「…」


国王「ティンポ!!」


「…」


国王「ティンポ!!」


あ、俺か。


「お、おう!!」


国王「…これより、王ファック直腸防衛騎士団の隊長に任命する!!」


か…!


勘弁してくれ!!


…。

…。

…。


女騎士「者どもーーー!!」


「「オッス!!」」


女騎士「アナルの準備は出来ているかーーーー!!」


「「オッス!!」」


女騎士「これより攻め立てるはニプルファック!!」


女騎士「貴様らのアナル!言わばディルドと竿が物を言うだろう!!」


「「オッス!!」」


女騎士「我ら!!」


「「王ファック騎士団アクメ隊!!」」


女騎士「我らの掟一番!!!」


「「一つ!!敵の竿に負けてはならない!!」」


女騎士「二番!!!」


「「一つ!!フェラズムな思想に囚われてはならない!!」」


女騎士「三番!!!」


「「一つ!!必ずアヘる!!!」」


女騎士「…子供を持つ者もいるだろう…!さあ!必ず勝って!皆、笑顔でアヘろうではないか!!!」


「「オッス!!」」


女騎士「進軍だーーーーーー!!!」


「「オッス!!オッス!!オッス!!オッス!!」」



…。

帰りたい。

いや駄目だ。帰るって単語はアヘるに置き換わってる…。

俺はアヘりたくない…。でも帰りたい…。

つか、♂×♂連呼しながら進軍すんな。


ドワーフ「ほれ、ティンポ閣下。鬨の声をあげんか!」


「え?」


オーク「我ら「王ファック直腸前立腺特殊防衛騎士団」…みたいな奴だよティンポ」


なんか増えてるんだけど…。

えっと?意訳すると…。

「王国直属前線特殊防衛騎士団」…か。

カッコいいじゃん!

なお、集まってるのは「ローパー」「オーク」「ゴブリン」「ドワーフ」…。

え?特殊って性癖的な?


「…え?何言おう?」


オーク「ほれ、女騎士殿のように…」


「…え、えーっと…」


「も、者どもーーーー!!へいk…いや…!!アナルの準備は出来てるかーーーー!!」


「「おーーー!!」」


「これより!!ニプルファックを攻めるぞーーーー!!」


「「おーーーー!!」」


「後れを取るなーーーー!!行くぞーーーー!!」


「「おーーーーーー!!」」


…なんとかなったか?


「「オッス!オッス!オッス!」」


なんとかなったけど、掛け声はそのままか…。


…。

そして数時間後…。誰がそれを予測できただろうか?

長い進軍の果て、王国騎士団が壊滅してしまうなんて…。

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