第23話 G ‐ ガールズ、ヒット・チャート、上位へ

2013年10月20日、

グレイス・ガールズ(G ‐ ガールズ )は、

ビルボード、オリコン、有線などで、

ヒット・チャート入りを 果たした。


それも、デヴュー・アルバムの、

Runaway girl (逃亡する少女)と、

その中から、シングルカットされた、

Blowing in the sea breeze (海風に吹かれて)という

アルバム、シングル、

同時の、ヒットチャート入りである。


彼女たちの曲は、日本中のラジオから流れて、

さらに、上位に、向かっている。


一夜にして、人気者になった彼女たちには、

ラジオやテレビ局からの 出演の依頼も

殺到する。


モリカワ・ミュージックでは、G ‐ ガールズの マネジャーでもある、

課長の森川良が、テレビ、ラジオ、雑誌など、

マスメディアとの、調整に、多忙であった。


10月27日の日曜日。

台風一過で、晴天の、午後の1時半ころ。


東京・FM のスタジオに、G ‐ ガールズと、岡昇、

森川良たちは来ている。


「今回のゲストは、リリース(release)されたばかりの、

アルバムとシングルの、同時、ヒット・チャート入りという、

電撃的な、

快挙を達成した、

ロック・バンド、ザ・グレイス・ガールズのみなさんと、

パーカッションで、特別参加の岡昇さんです!」


そういって、22歳の、MC(司会者)、

渋谷陽治が、番組の放送を開始した。


「ようこそ、いらっしゃいました!」と、陽治。


「どうも、どうも、ようこそ、いらっしゃいました!」

と、もうひとりの、21歳の、女性のMC(司会者)、

本条知美もいう。


「もう、はじめまして!・・・なんですけど、

なんか、もう、昔から友だちみたいに、

番組が始まる前に、うちとけちゃいましたよね!」


そういって、本条知美が わらうと、

G ‐ ガールズ、岡昇、森川良たちも、

わらった。


「いきなりですからね!グレイス・ガールズのみなさん!

リリース(release)されて・・・、

アルバムとシングルが、店頭に、

並んだのが、10月13日ですよね。

そしたら、アルバムも、シングルも、

20日には、ヒット・チャート入りして、

きょう、現在、CD・オリコン・ランキングでは、

アルバムの売り上げは、6位、

シングルの売り上げは、5位なんですからね。

こんなこと、

予想してました?リーダーの清原 美樹さん」


と、MC(司会者)、渋谷陽治。


「いいえ、まったく、予想してませんでした。

みんなで、夢見ているみたいだねって、

毎日、同じこと、いい合っていってます」


そういうと、美樹も、みんなも、声を出して、わらった。


「わたし、仕事の関係で、

有名になっていく人を、数多く見てますけど、

無名の人が、ラジオやテレビに出るようになって、

有名になるのって、

ほんとうに、あっという間、なんですよ」


と、MC(司会者)、本条知美。


「ここで、ちょっと、メンバーを、ご紹介させていただきます。

リーダーで、キーボードとヴォーカルの清原美樹さん。

サイド・ギターとヴォーカルの大沢詩織さん、

ドラムスとヴォーカルの菊山香織さん、

ベースギターとヴォーカルの平沢奈美さん、

リード・ギターとヴォーカルの水島麻衣さん。

そして、パーカッションの岡昇さん。

みなさん、現役の、早瀬田の学生さんなんですよね!」


「はーい、そのとおりです。よろしくお願いします!」


みんなは、前もって、いい合わせたように、元気な声で、そういった。


「ぼく、アルバム、聴かせていただいて、驚いたんですけど、

作品の、すばらしいクオリティ(品質)、

完成度の高さといいますか、

アルバムの全体から、グルーブ感は、

圧倒的で、

これこそ、本物のロックンロールというのが、

正直な、ぼくの感想なんです。

みなさん、まだ、20歳くらいなんですよね。

ぼくは、ロック 史上 最強 といわれる ロック・バンドの

ビートルズを、つい連想してしまいした!」


やや、興奮気味に、22歳の、MC、

渋谷 陽治は、語る。


「ありがとうございます!」 と、清原 美樹は、ほほえむ。


ほかのメンバーの全員、岡昇も、一礼しながら、

「ありがとうございます!」といって、ほほえむ。


「わたしたちが、ここまでやって来れたのは、たぶん、

メンバー、みんな、とても、仲がよくて、気が合うこと。

好きな音楽の傾向も、すごっく、近いものがあるんです。

J-ポップでは、宇多田ヒカルさんとか、

洋楽では、ボブ・ディランやビートルズとか、

みんな、すごっく、尊敬しているんです。

憧れる、すばらしい、ミュージシャンは、

ほかにも、たくさん、いますけど。

そんな音楽が大好きで、特に、ロックは大好きで、

どんなときも、わたしたちは、バンド活動を、

楽しんでいるんです。

あと・・・、みんなが、お互いの、個性を、

尊敬いることもあります!

ですから、

わたし、まとめ役のリーダーですけど、

とても、楽なんですよ・・・」


清原美樹は 晴やかな 表情で、ゆっくり、

メンバーを、見わたしながらそういって、わらった。


「あっはっは。普通、リーダーって、

まとめるのが大変ですものね。

それにしても、いつも楽しみながら、

バンド活動することって、簡単なことのようで、

なかなか、できることではありませよね。

そうですか、宇多田ヒカルさん、

ボブ・ディランですか、

どちらも、ビートルズのように、

音楽シーン(状況)を大きく変えた、

天才的なミュージシャンですものね。

これは、天才は天才を知るっていうことですかね?

ねえ、知美さん!」


という、MCの、渋谷陽治は、

わらいながらも、

感動していて、少し、声が 震える。


「まったく、そうですよね、陽治さん。

G ‐ ガールズのみなさん、才能にあふれていて、

天才的な、気がいたします!

わたしも、1度、聴かせていただいたら、

大ファンに、なりましたもの!

こんなに、すてきなバンドは初めてです!

わたしたち、若い人から、ご年配の、

どなたもが、待ち望んでいた

ビートルズのように、衝撃的な

バンドだと思います!

それでは、

リスナー(聴取者)のみなさまも、

お待ちかねですので、

ここで、シングル・カットされた、

ヒット・チャートも、急上昇中の、

Blowing in the sea breeze (海風に吹かれて)を、

お聴き いただきたいと思います!

この曲は、

大沢詩織さんの作詞・作曲なんですよね。ねえ、詩織さん。

詞の内容が、短編 小説のような、

ストーリー 性を感じるのですが、これって、

実体験を、

もとにしてあるってことでしょうか?」


そういうと、ちょっと、照れるように、

21歳の、MC(司会者)、本条知美は、

まだ、19歳、大学1年の、大沢詩織に、ほほえんだ。


「ええ、まあ、実体験がもとです。まったくの、空想では、

すらすらと、書けないし・・・、いいのが、できないんです」


そういって、大沢詩織は、

無邪気な、少女のように、わらった。


「いいですよね。オートバイに 乗れる、

彼って!男っぽい、気もします!」と、知美。


「はあ」と、照れる、大沢詩織。


そんな会話で、知美と詩織が、声をだして、わらうと、

まわりのみんなも、明るく、わらった。


「それでは、みなさま、お聴きください!

ポップ(大衆的)で、キャッチー(印象的)な、

最高の、ロックンロール!

Blowing in the sea breeze (海風に吹かれて)!」


MCの、渋谷陽治は、そういって、

番組を進行させた。


---


Blowing in the sea breeze (海風に吹かれて)


作詞・作曲 大沢 詩織



「海が見たくなっちゃった!」 そういう わたし 


「それじゃあ 海を見に行こう!」 そういう あなた


あなたの バイクの 後ろに 跨って


海に向かって 街を 飛び出した すてきな 日曜日 


I want to be blowing in the sea breeze...

(わたしは 海風に 吹かれていたい・・・ )


海岸通りを バイクで 突っ走る


潮の 香りに 懐かしさを 感じる


「太古の 記憶が 蘇るみたい?」


そういうと あなたの 笑い声が 風に 乗る


I want to be blowing in the sea breeze...

(わたしは 海風に 吹かれていたい・・・ )


太陽は 眩しいくらいに 輝やいていて


波は 白く カモメが 自由に 空を 飛んでいる


「わたしたち いつも 自由 なのかしら?」 そういう わたし


「きっと 自由を 夢 見て るんだろうな」 そういう あなた


I want to be blowing in the sea breeze...

(わたしは 海風に 吹かれていたい・・・ )


そうね 人生は 自由を 夢 見る 旅のようなもの


愛を 感じて 信じて 大切にしていこう!


きっと 何でも 乗り越えて ゆけるんだから!


愛には 魔法の パワ-が あるんだから!


I want to be blowing in the sea breeze...

(わたしは 海風に 吹かれていたい・・・ )


≪つづく≫ --- 23話 おわり ---

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