第670話関白殿、二月二十一日に(25)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


全ての人が乗り終えたので、車を引き出します。

二条王路で榻に轅をかけて、祭見物の時の物見車のような立て列ねる光景は、まさに目を見張るようなのです。

沿道の人々も、同じ思いで見ていると思うので、知らず知らず胸が高鳴ってきます。

四位、五位、六位などの者が大勢、二条院に出入りし、私たちの乗った車の近くまで来て、車の点検などをするのですが、明順朝臣の様子は、得意そうで、空を仰いでみたり、胸を張ったりしています。

さて、積善寺に行く前に、まず東三条女院様をお迎えするので、関白様以下の殿上人な地下の者たちも全員、参上します。

その女院様がお出ましになってから、中宮様がご出発なさる予定であるので、本当に待ち遠しく感じていると、日が昇り、女院様がお出ましになられました。


清少納言先生:はい、お疲れ様でした。

舞夢    :なかなか、全てに格式があり、立派なのですね。

清少納言先生:その通り。それと世間の注目を集めます。

舞夢    :なかなか、光栄なことなのですね。


※関白殿、二月二十一日に(26)に続く。

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