第669話関白殿、二月二十一日に(24)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
御簾越しに見ておられる大勢の身分高き方々の中でも、特に中宮様が、私(清少納言)を見苦しいと思われること以上に、私にとって辛いことはありません。
汗もにじみ出てきてしまい、しっかりと整えたはずの髪の毛も、実は逆立ってしまっているのではないかと、心配になります。
それでもなんとか、御簾の前を通り過ぎると、車の近くで、さすがに立派ですっきりとしたお姿の大納言様と中将様が笑顔で見ておられて、本当に夢の中にいるような気分です。
しかし、結局倒れてしまうこともなく、車に乗り込むまでのことができたのは、私が気丈であるからとか、あるいは鈍感なのかと、考えてしまいます。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :何とか車まで、無事だったのですね。
清少納言先生:はい、乗り込むまでが一苦労。
舞夢 :特に新参だった先生ですし。
清少納言先生:やはり目をかけてもらっている中宮様を、落胆させたくなくてね。
※関白殿、二月二十一日に(25)に続く。
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