第645話御前にて人々とも(6)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
それから二日ほど経ったのですが、どこからも音沙汰がなく、やはり中宮様からのことと間違いないと思ったので、右京の君のところへ
清少納言
「このようなことがあったのですが、それにつながるようなことが、あったのでしょうか、内緒でそれを教えて欲しいのです」
「仮に、それにつながることがなければ、私が尋ねたきたなどとは、決して漏らさないでください」
と手紙を出したところ、
右京の君から
「その一件は、中宮様が内緒を通しておられることです」
「これも私が答えたとは、決して漏らさないでください」
との返事がきました。
私の予想した通りと思い、面白いので、中宮様に手紙を書いて、こちらとしても、こっそりと御前の高欄においてこさせたのですが、使いの者が慌てていたためでしょうか、結局はそのまま下に、御階の下に落ちてしまいました。
清少納言先生:はい、お疲れ様。
舞夢 :中宮様も清少納言先生からの御返事を楽しみにしておられたのでは?
清少納言先生:そうでしょうね、ただ秘密の仕事を御前でするのは、難しいでしょうね。
舞夢 :お使いの方も、緊張したでしょうし。
※中宮定子と清少納言納言の、お互いの心理を読んだ駆け引き、なかなか面白い。
よほど信頼しあっていないと、なかなかできないことと思う。
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