第636話うれしきもの(5)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


陸奥紙、あるいは普通の紙であっても、素晴らしく質が良いものを手に入れた時は、うれしく思います。

自分が尊敬している人から、歌の上の句や下の句を尋ねられた時に、さっと思い出されたのは、自分としてもうれしいことです。

普段は覚えていても、改まって他人から尋ねられた場合は、案外全然に忘れてしまっていることが多いものです。

それと、大急ぎで探し物をしている時に、それを見つけ出した時。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :陸奥紙は、陸奥で作られた紙ということはわかるのですが。

清少納言先生:檀紙です。檀の樹皮の繊維から作るそうです。上質な紙として知られておりました。

舞夢    :墨と筆で書くので、やはり紙質は重要なのですね。

清少納言先生:使う紙で、家柄から人格まで、判断される場合もあります。


※大量生産の洋紙を使う現代の生活からは、はかりしれないものがある。

 

※うれしきもの(6)に続く。

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