第637話うれしきもの(6)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


物合わせの遊びの時には、何かと相争うのですが、勝った時はうれしくならない理由がありません。

自分こそは絶対に勝つと思い上がり得意顔でいる人を、上手にだますことができるのも、うれしい。

また、女性同士よりも、男性の裏をかいたほうが、よほどうれしく思います。

きっと、負けたあの人は、今回の仕返しを絶対しようと思っているだろうと、こちらが常に用心しているだけでも面白いのに、まったく何でもないように油断しているフリをして過ごすのも、また面白いことです。

また、気に入らない人が、みじめな目にあうのも、考えてはいけないことだけれど、うれしいものです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :物合わせは、様々ですね。

清少納言先生:はい、歌合せ、貝合わせ、根合わせ、物語合わせなど。左右にわかれて優劣を競う遊びです。


※うれしきもの(7)に続く。

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