第630話成信の中将こそ

清少納言先生:今日は、成信中将のお話です。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


成信中将様は、本当に人の声をしっかりと、お聞きわけになられるのです。

同じ場所にいる人の声などは、常に毎日聞いていないと、なかなか聞きわけられるものではありませんけれど。

そもそも、男性の場合は、他人の声にしろ、筆跡にしろ、見わけることも聞きわけることもしないほずなのに、成信中将様は、ほんの小さな声であっても、しっかりとお聞きわけになられるのです。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :なかなか、敏感なお方なのですね。

清少納言先生:村上帝の孫であり、道長様の御養子となられました。普通の男性貴族では、そこまでのお方はおられないので、感心してしまうのです。

舞夢    :特に待ち焦がれる女性にとっては、うれしいお方なのですね。

清少納言先生:それは、もちろんです。


※今をときめく成信中将様に声や筆跡から関心を持たれれば、女房としてはさぞ、うれしいことなのだと思う。

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