第607話さかしきもの(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


そのうえ

「かの宮様、かの殿の若君が本当に大病を患った時にも、この私が御祈祷いたしまして、完全に治させていただきましたので、それはもう御礼の品を多く頂いたのです。他にも修験者がおられまして、それぞれ招かれたようですが、全く効験など無かったようで、それからは今に至るまで、私を御呼びになられるのです。私としては、(能力の低い)他の修験者さまたちのお陰で、助かっているのです」などと得意顔に言い続ける表情には、品というものがない。


あるいは下位の者の家の女主人。

まあ、愚か者は、とりわけ利口ぶるし、真実賢い人に対して、教えたがるものなのです。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :女性の修験者の方も、相当なお方ですね。

清少納言先生:自慢も度を過ぎると下品になります。

舞夢    :自らの程度を知らない人に限って、見栄を張りますね。

清少納言先生:周囲が呆れていることも、理解できないのです、そういう人は。


※そういう人は、今でもあちらこちらに、見かける。

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