第593話身をかへて(1)
清少納言先生:今日は突然の抜擢をうけた人のお話です。
舞夢 :了解しました。訳をしてみます。
「天人に生まれ変わる」というのは、このようなことなのでしょうか。
そう思われるのは、ただ普通の女房として、側近にお仕えしていた人が、身分の高貴なお方の乳母となった時のことです。
貴人の御前であっても、唐衣を着ることもなく、場合によっては裳でさえ身に着けず、貴人のお側近くで御子に沿い臥します。
貴人のお寝になる御帳台の中が生活の場になり、女房たちを読んで用事をさせ、自らの局に何かと使いを行かせたり、手紙の取次をさせている姿は、とても言葉ではいいようがありません。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :乳母の身分とは、そこまで高くなるのですね。
清少納言先生:はい、それだけで自分もそうですが、夫まで将来が約束されることになります。
舞夢 :乳を与えられる時期でないと、当然、乳母にはなれないでしょうから、これは運もありますね。
清少納言先生:まずは健康な乳母を確保することも、貴人側とすれば、大切ということもありました。
※医療技術などが発達していない時期なので、産後に命を落してしまう母、また十分に栄養が行き届かず、夭折してしまう子供、そのような事例が多かったようだ。
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