第515話野分のまたの日こそ(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


深く濃い紅色の着物で、その表面の光沢は落ちているのに、黄朽葉色の織物や薄物の小袿を着た素晴らしく美しい女性が、昨日の晩は嵐の音が騒がしくて、よく眠れなかったのでしょうか、結局、ようやく寝付いて、朝遅くまで寝てしまったようです。

それでも、ようやく起きてきて、母屋から少しだけいざりでています。

その美しい髪が、まだ残っていた風に吹き乱されて、少しふくらんだように肩にかかっている様子は、とても素晴らしく美しく見えるのです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :絵に描いたような風景ですね。

清少納言先生:美しい女性は、たいてい絵になるけれど、これはまた格別です。

舞夢    :確かに、そう思います。嵐の後の、自然な安堵感とでも言うのでしょうか、作為のない仕草に風情を感じます。


野分のまたの日こそ(3)に続く。


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