第498話かしこきものは(1)
清少納言先生:今日はかしこきもの、つまりたいしたもの、のお話です。
舞夢 :了解しました。訳をしてみます。
たいしたものというべきは、まずは乳母の夫ということになる。
帝や皇子たちの乳母の夫になった場合は、言うまでもない。
そに次々の身分の方々とか受領の家においても、乳母の夫に対しては、身分相応の接し方を周囲を含めてするので、乳母の夫は得意満面になる。
乳母の夫自身が、主家の絶対の支えがあるという気になるのか、乳母である妻が育てているのに、その育てている子を、全く自分一人だけの子のように振る舞う。そその子が女の子の場合は、そのような状態でもいいのだけど、男の子で合った場合は大変なことになる。
乳母の夫が、しっかりと付き添って世話を焼き、少しでも、その男の子の機嫌を損ねるような者があれば、厳しく叱責して、事実ではないような悪口もいい、全くどうにもならない。
そうかといって、この乳母の夫の言動に対しては、あからさまに文句を言うこともできず、それをいいことに、ますます得意になり、威張った顔で、他人に指図などをしたりする。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :自分自身がどうということではなく、乳母の夫というだけで、主家の威光を利用して、やりたい放題なのですね。
清少納言先生:まったく、どうにもなりません。
かしこきものは(2)に続く。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます