第497話位こそ、なほめでたきものはあれ(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


それに比べて、男性はやはり若くして出世をしていく場合は、本当に素晴らしいと思う。

法師の場合は、「誰それ」などと名乗って、世間を渡るのは、それほどたいしたこととは思わない。

お経をいかにも尊いように読み、容姿が美しい法師の場合は、女房たちが話しかけやすいと思われて、来るごとに大声をあげて騒がれているようだ。

ただ、その法師が僧都とか僧正になると、御仏がこの世にお出でなされたような雰囲気、世間の人もとりわけ、頭を下げてありがたがる様子など、他では全く見ることができないほどになる。


清少納言先生:はい、お疲れ様でした。

舞夢    :法師もこうなるとアイドルなのですね。

清少納言先生:見るだけでもいいのに、美しい声で説教も聞けるのですから。

舞夢    :確かに、滅多にはないことなのでしょうね。

清少納言先生:そういう人が偉くなると、また雰囲気が違うのです。

舞夢    :まさに生き仏なのですね。


その相手の身分とか位で、取るべき態度や印象も異なる。

身分とか位が絶対であった宮中の世界が、よくわかる文と思う。


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