第496話位こそ、なほめでたきものはあれ(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


女性の場合は、男性に比べれば、やはり劣っていると思う。

宮中にあって、帝の御乳母となって内侍のすけや、三位にまで出世すれば、重みも出てくるけれど、その場合でも、すでに年齢が高くなってしまえば、どこまでのよいことがあるのだろうか、よいことなどはない。

それに、ほとんど大多数の女性は、そうなることはない。

受領の北の方となって、任国にくだることこそ、普通の女性の最大の幸福と思って、そうなった女性を褒めたり、羨んだりするようだ。

しかし、その場合ではなくて、普通の身分であった女性が上達部の北の方になるとか、上達部の娘が后の位につくほうが、よほど素晴らしいことと思うのです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :もともと、与えられる役職そのものが少ないということもありますね。

清少納言先生:結局は、身分の高い人の北の方の地位を手にいれることが一番なんだけど、普通はなかなかできません。

舞夢    :ましてや中宮とか后は、極めて稀ですね。

清少納言先生:その通りです。


位こそ、なほめでたきものはあれ(3)に続く。

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