第495話位こそ、なほめでたきものはあれ(1)

清少納言先生:今日は位などのお話になります。

舞夢    :了解しました。


位というものは、やはり、この上なく素晴らしいものだと思う。

人そのものは同じであるけれど、大夫の君とか、侍従の君とかお呼びしている時は、こちらは気楽なのだけれど、その人が中納言、大納言、大臣などにご出世なさると、行動をきつく締め付けられるようなこともなく、見るからに立派な雰囲気を持たれるようになり、格別となるのです。

下位の身分の人は、その身分なりですが、受領の身分であっても、官位が上になると、立派に見えてきます。

多くの国を任され歴任し、大弐から四位、三位にまで出世なさると、上達部であっても、大切なお方として接しなさるようです。


※大夫の君:大夫は五位相当であるけれど、まだ官職がない人。

※侍従の君:従五位相当。帝の近くに仕える。名門貴族の子弟が多かった。


※位こそ、なほめでたきあれ(2)に続く。

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