第499話かしこきものは(2)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


ただし、その子供が小さなうちは、なかなか難しい場合がある。

乳母は、子供の親の前に寝ることになり、乳母の夫は局に一人で寝ることになる。

そうかといって、乳母の夫が、他の女性のところに通うようなことになれば、妻に感づかれて騒がれることになる。

どうにもこうにもならないので、無理やり乳母(妻)を局に下がらせて一緒に寝ていると、子供の親から「早く来なさい」と呼ばれてしまう。

乳母(妻)は、すでに脱いでいた着物をあわてて手探りで探して身につけ、お部屋にあがっていくので、残されてしまった夫としては、本当に情けない状態になる。

そして、それは身分の高いお屋敷でも同じであって、さらに面倒なことも多いものなのです。


清少納言先生:はい、お疲れ様。

舞夢    :やはり、お世話をしている子供が幼い頃には、それなりの苦労があるのですね。

清少納言先生:まあ、仕方ないといえば、そうなるのです。



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る