第490話宮にはじめて参りたる頃(13)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


中宮様と何かお話をしていた時のことです。

中宮様が

「私のことを心配してくれているのでしょうか」

と、おききになられました。

私が

「どうして、心配していないことなどありましょうか」

と申し上げる時に合わせたかのように、台盤所の方から、誰かが大きなくしゃみをする声が聞こえてきたのです。

中宮様は

「ああ、本当に嫌になります、誰かが嘘を言っているようです、結構です、もういい」

とおっしゃられて、部屋の奥にお入りになってしまいました。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :突然、予想外の、大くしゃみなのですね。

清少納言先生:中宮様をなだめていたのに、まるでぶち壊すような感じです。

舞夢    :それも絶妙のタイミングですね。

清少納言先生:本当に、困りました。


宮にはじめて参りたる頃(14)に続く。

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