第394話正月十余日のほど(3)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


黒い袴を穿いた大人の男が駆けつけてきました。

どうやら、桃の枝を欲しがっているようです。

樹の上の少年が「ちょっと待ってよ」などと言うものだから、その男は桃の木を揺さぶって急かします。

少年は怖がってしまって、まるで猿のように、木にしがみついて、大声をあげるのも、なかなか笑えます。

梅の実が成った時も、木に登って取ったり、下で欲しがるとか、きっと大騒ぎになると思います。


清少納言先生:はい、お疲れ様でした。

舞夢    :無邪気といえば、無邪気ですね。

清少納言先生:大人は体裁を取り繕うけれどね。


京の庶民の普通の風景だったのだろうか、いや日本のどこでも同じようなことがあったのだと思う。

清少納言の観察は宮中社会だけではない。

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