第354話頭の弁の、職に参り給ひて(1)
清少納言先生:今日から、頭の弁行成様とのお話になります。
舞夢 :了解しました。訳をしてみます。
頭の弁の行成様が、職の御曹司に来られました。
いろいろと話が弾みまして、夜も更けてしまいました。
行成様が
「明日は、帝の御物忌となります。一日中、殿上の間に控えることになるので、丑の刻(午前一時)になってしまうと、よろしくありません」
と、おっしゃり宮中に参上なさいました。
翌日の早朝、蔵人所の紙屋紙を重ねたものに
「今日は、本当に名残惜しい気持ちがしました。出来ることなら徹夜で思い出話など語り明かそうと思ったのですが、鶏の声に追い立てられてしまいました」
などと、言葉を多くして書いておられなので、本当に素晴らしく思います。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :頭の弁という職務は、蔵人の頭で、弁官を兼ねていることになりますね。
清少納言先生:はい、先行きに見込みのある、優れた青年貴族が選ばれるのが常でした。
舞夢 :蔵人所の紙屋紙というものは?
清少納言先生:校書殿の西廂に、蔵人所があります。校書殿に収める書籍や銭貨、紙屋院の紙も管理しています。行成はその紙を使ったのです。
舞夢 :それにしても、人が頭を下げてまで欲しがる能書家の行成様の史を、届けられるのですから、これはすごいことですね。
清少納言先生:はい、とてもうれしく思います。
頭の弁の、職に参り給ひて(2)に続く。
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