第346話頭の弁(行成)の御もとより(2)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
中宮様の御前に参上をして、お目にかけると
中宮様は
「これは素晴らしく立派な筆の運びです、様々な趣向が盛り込まれていますね」
と、解文についてはご自分のものにと、お取りになられました。
私(清少納言)の、
「こういう場合の返事は、どういう方法が良いのでしょうか、この餅のお菓子を持ってきた使者には、何かご褒美の品を渡すのでしょうか、この作法を知っている人がいないでしょうか」
との不安な声を中宮様が、お聞きになられて
中宮様が
「惟仲の声が、聞こえますね、呼んで聞いたらどうですか」
と、おっしゃられたので、部屋の端まで出て、
「左大弁にお話があるのですが」と、従者を介して呼ぶことにしました。
そして惟仲は、たいへん威儀を正してやってきたのです。
清少納言先生:はい、そこまで。
舞夢 :行成様がお書きになった物は、それほどの人気があったのですか?
清少納言先生:はい、中宮様の弟様の隆円様などは、行成様に額づいてまで欲しがりました。
※平惟仲:摂政藤原兼家の家司となり藤原有国と共に「左右の眼」といわれ重用された。左京の三条高倉に邸宅があり、一条天皇の中宮定子は長女の脩子内親王を出産、清少納言も滞在したことがある。
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