第347話頭の弁(行成)の御もとより(3)
清少納言先生:続きをお願いします。
舞夢 :了解しました。
惟仲がとても威儀を正した様子で来てしまったので、私(清少納言)は戸惑ってしまい
「いや、そういう威儀を正すようなことではなくて、あくまでも私事なのです」
「もし、あなたとか、少納言のところに、こういう物を届けてくる下僕などに、ご褒美をあげるようなことはあるのでしょうか」
と尋ねてみると
惟仲は
「いや、そういうことはないですよ、そのまま、ただ手元に置いて食べるだけです」
「清少納言様ともあろう方が、どうしてそんな事をお尋ねになるのですか」
「もしかして太政官にお知り合いがあって、こういう物を手に入れられたのですか」
と、逆に尋ねてくるので
私は
「さあ、それはどうでしょうか」
と曖昧に返事をしました。
頭の弁(行成様)には、深紅の薄様紙に
「自ら持参されない下僕など、本当に薄情な人と思うのです」
と返事を書いて、美しく花をつけた紅梅の枝につけて差し上げたのです。
頭の弁(行成)の御もとより(4)に続く。
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