第289話方弘はいみじう人に笑はるる者かな(1)

清少納言先生:今日から方弘はいみじう人に笑はるる者かなの話になります。

舞夢    :了解しました。訳をしてみます。


方弘は人によく笑われる人です。

方弘の親御さまは、自分の子供が物笑いの対象になっていることを聞いて、どう思っているのでしょうか。

例えば、方弘付きの従者の中でも仕事ができる者をつかまえて、

世間の人々が

「あなたは、どうして方弘なんかに仕えているの?使われていて変に感じない?」

などと言って、笑うのですから。

まず方弘のお家は、染色とか縫製などには技術が高いのですけれど、その他の家より立派に仕上げた下襲や袍をきれいに着こなしていても、紙燭を押し付けて焼け焦がしてみたりするのです。

そんなことをするものだから、世間の人々は

「せっかく綺麗にできた着物なので、方弘ではなくて、他の家の人に着せたほうがいい」などと言うのです。


清少納言先生:はい、そこまで。

舞夢    :まず、方弘様というのは?

清少納言先生:源方弘といって、文章生出身の蔵人です。

舞夢    :つまり、うっかり者なのですか?

清少納言先生:はい、折々と・・・


方弘はいみじう人に笑はるる者かな(2)に続く。

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