第264話五月の御精進のほど(20)

内大臣様は

「これは不思議なことをおっしゃる」

「中宮様、それは本当なのですか、まさか、そんなことはないでしょう」

「どうして、そんなことをお認めになったのですか」

「ありえないことです、清少納言、別の時はいいけれど庚申待ちの今宵なので詠みなさい」と、私の気持ちなど何も考えずに無理強いをしてこられます。

それでも、私としては簡単には指示に従いません。

そうこうしていると、懸命に歌を詠んでいた他の女房たちは、それぞれ歌を提出して良し悪しの判定をされています。


五月の御精進のほど(21)に続く。

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