第263話五月の御精進のほど(19)

清少納言先生:続きをお願いします。

舞夢    :了解しました。


内大臣伊周様から、夜更けに歌の題を出されたのです。

女房たちにも歌を読むようにおっしゃられるので、全員がその気になって様々頭を捻っている間に、私(清少納言)だけが、中宮様のお側近くに座り、様々申し上げたり、その話題も歌とは関係のない話をしていたのです。

それを内大臣様がご覧になり

「清少納言はどうして歌を詠まないのか、私がせっかく指示を出したのに」

「そんなに離れたところに座らないで、歌の題を受け取りなさい」

とおっしゃられ、渡されるのを

私(清少納言)は

「中宮様から、私は歌を詠まなくてもよいというお話を承っておりまして、大臣様から、そのように言われましても、歌を詠むなどは全く考えておりません」

と申し上げました。


五月の御精進のほど(20)に続く。

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