第265話五月の御精進のほど(21)
中宮様が、私(清少納言)に、何か御文(メモ)を書かれて、それを見ると
「元輔が 後といはるる 君しもや 今宵の歌に はづれてはをる」
(清原元輔の娘と言われる貴方は、今宵の詠歌には加わらないのですか)
と書いてあります。
それを読んで、本当におかしくて大笑いになってしまいました。
内大臣の伊周様は
「どういうこと?何が面白いの?」と聞いてこられるし、
他の女房たちも聞いてくる。
それで私が
「その人の 後と言はれぬ 身なりせば 今宵の歌を まづよままし」
(そういう歌人の娘という肩書がなければ、私は一番最初に今宵の歌を詠みますのに)
何も気にしければ、どれほどの数の歌でも、どんどん詠みます」
と中宮様にご返事いたしました。
清少納言先生:はい、お疲れ様でした。
舞夢 :詠ませたがる人々は優秀な先祖を意識して、詠まされるほうも意識して、逆になりましたね。
清少納言先生:そういうちょっと濁った雰囲気の中では詠みたくなくてね。
舞夢 :わかるような気がします。気が乗らない時もありますね。
多少我がままと言えば、そう思う。
詠もうと思えば、出来たと思う。
しかし相手が内大臣であろうが中宮様であろうが、屈しない。
そういう清少納言先生の「実力」を感じている。
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